今回は残業代の未払いがいかに悪質なのかについてお話しします。
そんなのは言われなくてもわかっているとお思いなのは重々承知です。
でもわかっていても行動まで結びつけるのが難しいというのもまた人情というもの。
みんな我慢しているからあなたも我慢しなければならないと思っていませんか?
昔からそうだからと、無理やり納得することにしていませんか?
自分にはここしかないからと、必要以上に自分を卑下していませんか?
これら全ての言葉を否定していきたいと思います。
はっきりといいきれます。
「残業代未払いの罪はお金だけの問題ではありません!」
あなたから、あなたの家族から、あなたの大切なものから、あらゆる時間を奪っているのです。
そして、現在の状況をそのままにしておくことで、これからあなたと同じ環境に入る人たちからも、お金と時間を奪っていくのです。
こうして負の連鎖が生まれていきます。
未払い残業代とは何を意味するのか?
みなさん想像してみてください。
数百万円、1千万円の金額と聞いたときにどう思いますか?
大金ですよね?
ではこの金額を誰かに貸したとしましょう。
その金額をもし踏み倒されたとしたら?
その人との関係は崩れ、訴えてでも取り返そうとするはずです。
「未払い残業代」という言葉だとわかりにくいと思いますので言葉を言い換えてみましょう。
未払い残業代
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あなたへの借金
これならどうでしょうか?
会社はあなた方に残業代を「払わない」のではなく、会社があなた方にしている借金を「返さない」のです。
あなた方はすでに労働力という価値提供をしているのですから、会社はそれに対して報酬を支払わなければなりません。
つまりこの報酬が、言い換えると「借金の返済」なわけです。
「残業代未払い」がいかに悪質な「違法」であるか理解できたでしょうか?
企業は言葉を変えることで「借金の返済から逃げている」のです。
未払い残業代が皆さんへの借金である証拠に、利子(利息)がつきます。
この利子は在職中のものと退職後のものの2種類存在します。
ただし注意が必要なのは犯罪には時効が存在するということです。
残業代請求の時効は3年(2022年1月現在)です。
将来的には5年に延長される予定とのことなので、法改正にも注意しておきましょう。
遅延損害金
(在職中)
年率6 %
遅延利息
(退職後)
年率14.6 %
いかがでしょうか。かなりの利子ですよね。
この利子が未払い期間に応じて加算されますので、実際に請求する金額はもらっていない残業代よりも多い金額になります。
残業代未払いで得をするのは誰か
ではこうすることで誰が得をするのでしょうか?
得をする人がいるからこのような事態が起きるのです。
それは誰か?
「経営陣です」
彼らの報酬はお金だけではありません。
彼らは「年収」という括りの報酬体系で報酬を考えてはいません。
株式や経費も彼らにとっての報酬でもあるのです。
株式を持っておけばその株を売買したり、上場したりしたときに大きな価値となります。
それはもう普段もらっている年収や役員報酬なんて比べ物にならない額です。
経費は小さな会社であれば経費という名目で、個人の用途で費用を使うことができます。
交際費だったり会社の社用車だったり、名目はいろいろです。
従業員である皆さんとは違う世界に生きているのです。
その経営陣はさらに会社(つまり自分)から利益が逃げないように、従業員の給料を抑えようとします。
それが一番手っ取り早く、我慢をしてくれることをわかっているからです。
それが仕方がないと感じている人たちは、経営陣の狡賢さを認めているようなものです。
どうですか?仕方ないことですか?
そうは思いませんよね?
ですから声を上げなければならないのです。
会社としてしっかり従業員に給料を払った上で、利益を出せる体質にする仕組みやビジネスを作り出すことが経営陣の仕事なのです。
どうやって残業代請求すれば良いのか?
経営陣対し、みなさんは現実を突きつけなければなりません。
周りの空気や、なんとなくで見過ごせる問題ではないのです。
空気に押されて周りに同調するということはあなたも、これから入ってくる新人や社員に同じ目に合わせる加害者になることでもあるということを忘れてはなりません。
残業代請求するということはそれだけの意味があることなのです。
あなたの感じている違和感は間違っていません。
証拠を持って残業代請求の依頼をしにいきましょう!
行き先は役職ごとに異なると思いますので、下記のリストに訴えるとスムーズにいくと思います。
- 部長クラス|弁護士
- 課長クラス|弁護士
- 係長クラス|弁護士 or 労働基準監督署
- 役職なし|労働基準監督署
- 一般社員|労働基準監督署
- 派遣社員|労働基準監督署
詳細は下記の記事を読んでください。私が実際に残業代を回収した方法を載せています。
会社に居づらくなるなら転職を考えてください。
世の中にはたくさんの企業があり、相談をしてくれる仕組みができています。
今いる会社の常識があなたの中での常識とならないように、常に外にも目を向けなければなりません。
小さな世界の普通にならないために必要なこと

世界はもっと広く、自由です
では、ブラック企業などの時間と給料を奪うような会社に慣れてしまわないようにするにはどうすれば良いのでしょうか?
多くの企業との接点を持つことです。
終身雇用は終わりを迎え、これからは今いる企業で実績を出し、キャリアを積んで転職することが普通になっていくでしょう。
転職は勇気がいることですが、一歩踏み出せば広い世界に飛び出すことができます。
退職しづらいなら退職代行という手があります。
管理職の地位を手放すのが惜しいのなら、ハイクラス専門の転職エージェントを使うのもいいでしょう。
転職したばかりや就職したばかりの方は第二新卒や転職エージェントに相談すれば解決策を提供してくれます。
自分のキャリアについて迷っているならキャリア相談専門のエージェントもいます。
ツールはいろいろあるので下記リンクを参照ください。
また、退職後の国民健康保険の支払いは離職理由によって軽減措置を受けられます。
ブラック企業に勤めている方が主に対象ですが、知識として持っておいて損はないでしょう。
まとめ
この記事であなたは残業代の請求方法、自身のキャリアについての相談窓口、転職先候補の探し方、いろいろと知識を得ることができました。
あとは行動するだけです。
みなさんの行動が今の職場だけでなく、ブラック企業を減らすための社会を変える力となるのです。
過去のあなたや、今ブラック企業で苦しんでいる大切な人に対して、あなたはなんと声をかけるのでしょうか?
「自分が苦しんだのだからお前も同じように苦しめ!」
と、声をかけますか?
そんな言葉かけませんよね?
もっと建設的な言葉をかけるはずです。
その言葉を自分に、大切な人たちにかけてあげてください。
そして、この記事を読み、知識を身につけたあなたの周りに苦しんでいる方がいるなら、そこから抜け出す方法を教えてあげてください。
私のブログがそのきっかけになればと思い発信し続けていくつもりです。
以上、今回の記事がみなさんのお役に立てれば嬉しいです。
それでは