一般的なブラックといえば、長時間労働、パワハラ、セクハラ、サービス残業を思い浮かべると思いますが、伝統的企業にありがちな「時間感覚のなさ」もブラックだと思います。
長時間労働がブラックなのは言うまでもありませんよね?
時間感覚がないとは、「人の時間を奪うことに何の疑問も持たない」ということです。
結局のところこの考え方が根底にあるからこそ、いつまで経っても物事が改善しないのです。
会議のための会議
これは経験ある方多いのではないでしょうか?
〇〇日に会議がありそこであるテーマについて話合いたい。
こういう会議設定があったとしましょう。
するとこの会議のためにさらなる事前会議が行われます。
目的は事前に資料を準備して、どの発言をしてどの発言をしないなどの取捨選択を行うためです。
会議によっては必要なものもあるでしょう。
しかし問題は「どんな会議であっても同じやり方をすること」です。
会議の重要度は内容によって大きく変わります。
社外発表につながる重要な会議もあれば、みんなの意見交換をするために集まりたい程度の会議もあるでしょう。
そして問題はさらに加速します。
事前準備用の「さらなる事前会議が行われるようになる」のです。
もう永遠に会議ばかりしているため、自分の仕事だけでなく、会議で出た確認事項の対応もできません。
そうしてようやく自分の仕事に取り組むことができる頃には就業時間を過ぎています。
そこで新たな会議案が生まれます。
「長時間労働対策」です。
そして「どうすれば長時間労働がなくなるかを検討するための会議」が始まります。
そのための「事前準備の会議」の設定が行われます。
いかがでしょうか?
あなたの会社はこんなことやっていませんか?
わかっていても言ったら怒られるから言わないなんて空気になっていませんか?
しかしこれが実態なのです。
この実態を知らない人たちが生産性が低いのはなぜか?と叫んでいます。
あるあると思った方。
あなたはブラック職場にいますよ。
とにかくあつまれ!
いませんかこんな人。
関係あるかどうかわからない人まで会議に連れて行く人。
私がいた会社では人を連れていき過ぎて入りきれなくなっていました。
なぜこんなことになるんでしょうか。
自分が責任を取りたくないからです。
誰かが何かを言ってくれることを期待して、自分の役割を果たすつもりがありません。
今の会話の担当は誰かわからないがやってくれるだろう。
もしできなくてもこんなに人がいるんだからみんなの責任にすることができるだろう。
こんな考えで「念のために」人を集めているのです。
当然この時間は作業をすることができませんので業務に支障が出ます。
そしてまた「長時間残業削減のための会議」が開かれるのです。
おばあちゃんの昔話(引き継ぎは口頭伝承)
引き継ぎはどのような形で行われていますか?
ちゃんと手順書はありますか?
最初は時間がかかっても、前任者と同じレベルの成果物を出すことができますか?
もしできないのなら引き継ぎ体制に問題があるかもしれません。
私がいた会社ではこんな感じの引き継ぎでした。
期間は1ヶ月。
引き継ぎ資料はなし!
全て口頭です。
参考にできるのは初めて見る業務資料と口頭による説明だけ。
口頭による説明も聞き逃したら終わりです。
それだけではありません。
よく考えてみてください。
みなさん今の自分の業務を全て口頭で説明し切ることなんてできますか?
毎月のルーティーンだけでなく、四半期ごと、年度末のみの処理など、いろいろな種類の業務がありますよね?
それを一度の説明で全てできるわけがないのです。
そして引き継ぎ期間が終わると前任者は逃げるようにいなくなります。
新しく担当になった人がやり始めるのは「発掘作業」です。
資料の説明もろくにされないため、この発掘作業で時間が過ぎ去っていきます。
ですが業務は待ってはくれません。
締め切りは担当者が変わったことなど関係ないのです。
こうして慣れない業務に加え「発掘作業」という作業が加わり、時間が過ぎてゆくのです。
こんなことが当たり前の企業文化の会社がどうやって発展できるのでしょうか?
前任者が1年かけてできるようになったことを新しい担当者も1年かけてできるようになるのです。
人で見たら同じことができる人が増えたと言えるかもしれません。
しかし組織としてその2年間で一体何が成長したのでしょうか?
何も成長していません。
1年かけて、1年前の水準に戻っただけです。
こうして進歩のない組織が出来上がっていきます。
こんな状態では正しい知識の積み上げができません。
そのうちかぐや姫は鬼退治に行き、桃太郎は月へ行くでしょう。
年数こそが正義
長期間同じ業務に従事している人が一番詳しいなど誰が決めたのでしょうか?
ゴルフ暦10年の人と3年の人とではどちらが上手だと思いますか?
この問いにあなたは答えられますか?
答えは「わからない」です。
そう、年数だけでは何をやってきたのかがわからないのです。
趣味月1回ゴルフをやっている10年と、毎日大会を目指して練習している3年だったら、圧倒的に3年の方がうまいはずなのです。
ですが本人たちはそうは思っていません。
本当はわからないこともたくさんあるのに、あたかもわかっているかのように振る舞います。
そのため、自分達の業務内容を知られたくありません。
情報を極力出さず、自分の中で完結させようとします。
ですが永久に持っていることはできませんので、いつか引き継ぎを行う時がきます。
その時には完全にブラックボックス化した業務となり、期間内での引き継ぎを行うことができません。
そればかりか、質問をしたら怒られることすらあります。
なぜなら自分でもなぜそうしているのかがわからないからです。
こういったことを防ぐためには普段から自分の業務を開示できる風通しの良さが必要になるのですがこれが難しいのです。
経営陣は風通しをよくすると口ではいうものの、実務がわからないので、なぜできないのかがわかりません。
こうして図らずも職場はブラック化して行くのです。
なぜかはわからないが昔からやっているこれをやれ
あるあると思った方多いのではないでしょうか?
いわゆる謎の伝統というやつです。
歴史の長い企業によくある問題だと思います。
業務をしていると不思議に思うものが出てきます。
「これ毎月やってるけど何の意味があるんだろう?」
解決するためにいろいろな人に聞いていきます。
そうして質問はたらい回しにされていきます。
前任者に聞こうが、上司に聞こうがわかりません。
でもどう考えても、もっといいやり方があるか、必要がない業務なのです。
そんな時は業務フローを変えてしまいましょう。
あなたが責任を持って行動する限りは誰も何も言いません。
負担は大きくなりますが、長い目で見れば一番早い解決方法です。
よって残業が増えることになりますが、将来的には効率化し、作業効率は上がるでしょう。
ここで分岐点となる問題が生じます。
問題解決に協力してくれる同僚、上司はいますか?
これに「YES」と答えられる職場はまだ良い職場でしょう。
ブラックな職場ではこんなことを頼もうものなら怒られます。
自分の身に業務が降りかかることを極端に嫌がるのです。
そうならないように意図的に忙しそうにして見せたり、「自分の業務には自分が責任を持て!」とここぞとばかりに責任という便利な言葉を使います。
本来なら問題解決は喜ばしいことなのに、業務から逃げつづけることを覚えた人たちがいる職場では迷惑以外の何者でもないのです。
こうして問題はうやむやになるまで放置され、自分の担当でなくなるまで耐え続けるのです。
これもまたブラック職場と言えるでしょう。
まとめ
以上が今回紹介する「ブラック職場」のお話でした。
聞いているだけで疲れてしまうような内容ですが…。
今回の内容は、一般的に言われているブラック企業のような派手さはないものの、大きな体力、精神力の消耗、ストレスにつながります。
ホワイト企業と呼ばれる企業でもよくある話なのが怖いところです。
側から見ているだけでは実態が分かりませんからね。
これ以外にもセクハラ・パワハラが常態化していて誰も疑問に思わない職場もあるのではないでしょうか。
キャリアを積むためには職場環境というのは大事です。
もちろん今自分がいる場所でできることをやるというのは大事ですが、限界があります。
そんな時のために、いつでも転職できるように準備をしておくことが大事なのです。
理不尽な環境に耐えることは残念ながら成長にはつながりません。
やめる覚悟はいい覚悟!?
仕事で成果を出すために必要なこと(体験談)
ブラック企業に見切りをつけろ!
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以上、今回のお話がみなさんの参考になれば幸いです。
それでは