サービス残業は違法!自主的に残業しても、残業代がもらえる方法とは?

残業代は堂々と請求しよう

あなたは、サービス残業をしていませんか?

サービス残業とは、労働者が所定労働時間以上に働いたときに本来支給されるべき残業代を会社から支給されずに働かされる状態のことを指します。

サービス残業は、労働基準法に違反する違法な行為です。自主的に残業しても、残業代はもらえます。

この記事では、サービス残業の典型例や要因、残業代請求のメリットや必要な条件、証拠の集め方や請求の手順、注意点などを詳しく解説します。

サービス残業の典型例とその要因

サービス残業をしていることはわかっているけど心理的な抵抗感や、単純に誰も教えてくれないために知らないケースも多いでしょう。例えば以下のケースです。

  • サービス残業が当たり前
  • 忙しいけど会社で上限が決められてタイムカードを切られてしまう
  • 「年俸制だから残業代が出ないよ」と言われている
  • 「管理職だから残業代は出ないよ」を言われている

挙げたらキリがありませんが、ちゃんともらえていない方も多いと思います。

データでは4割以上の人がサービス残業をしている

こんなデータがあります。

サービス残業を経験したことがある人の割合
引用:日本労働組合総連合会

2015年に日本労働組合連合会が公表した調査結果ですが、サービス残業をせざるを得ない状況になった人の割合は4割を超えています。また、一般社員よりも役職が上がるほうがその割合は増え、係長クラスに至っては6割を超える人がサービス残業をしているという調査結果が出ています。

しかし、上記に当てはまる方みなさん残業代を請求することができます。

また、在職中の方も、やめてしまっている方も残業代はちゃんと請求できますただし時効は3年間なので注意してください

サービス残業をする要因

サービス残業の要因としては、以下のようなものが考えられます。

  • 会社の業績が悪く、経費削減のために残業代を支払わない
  • 人手不足で仕事量が多く残業しないと終わらない
  • 会社の風土や上司の指示で、残業しないと評価が下がると思われる
  • 会社のルールや制度が不明確で、残業代の支払い方法や申請方法がわからない
  • 労働者が自分の権利を知らないか、主張しづらいと感じる

役職者でも請求すればちゃん残業代をもらえる

まず、サービス残業でも残業代を請求することはできることを理解する必要があります。サービス残業とは、会社の指示によらず、自主的に残業をすることを指します。この場合、労働者は会社との間で残業手当の支払いについて合意しなくても、法律上残業代を受け取る権利があります。

残業代(時間外労働)には時間に応じた割増率がある

残業代は、時間外労働の1時間あたりの賃金に、25%の割増しを加算した額が支払われます。さらに、時効である3年間を上限に、在職中は年率3%、退職後は年率14.6%もの利息がつきます。

残業代割増率一覧

つまり、サービス残業をした時期からその分の給料を受け取っていない時期が長いほど、利息の額が大きくなり、回収できる残業代も多くなるということです。

サービス残業時間は課長クラス以上が最も多い

役職別サービス残業時間
引用:日本労働組合総連合会

上記のデータでも分かる通り、一般社員よりも役職者の方、特に課長クラス以上の方がサービス残業時間が長くなっており、残業代が支払われていないことがわかります。

あなたの周囲でも「係長までは残業代が出ていたけど、課長になって残業代が出なくなったため年収が下がった」という声を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。私の周囲でもそうでした。そしてそれが「当たり前のこと」だと思っていました。

しかし、課長クラスであれば本来は残業代支給の対象者なのです。

組織図で見る名ばかり管理職の判定

下記の組織図は管理職かどうかを判定するために使用する図です。

その前にまずは「管理職」と「管理監督者」の違いを説明しておかなくてはなりません。

法的には管理職と管理監督者はイコールの存在ではなく明確な違いがあります。管理職は法律上は「従業員」で、管理監督者は法律上は役員クラスのことを指します。

その違いの判定に用いるのが下記の図です。

組織図で見る名ばかり管理職

みると分かるように組織図上「管理監督者」にあたるのは事業部長クラス以上の経営会議に出席するメンバーに限られます。「部門を統括し経営に関与している」ことが条件であり、この条件を満たす人に対しては「残業代を支払う義務がない」のです。この条件がどれだけ厳しいかは上記の図を見れば、お分かりかと思います。課長クラスどころか部長クラスですら「名ばかり管理職」である可能性は高いのです。つまり残業代の支給対象者である可能性が高いと言えます。

残業代請求の時系列を整理しよう

時系列をまとめると下記のようになります。

残業代請求の流れ

STEP1
証拠集め
勤怠記録|給与明細|雇用契約書|就業規則|賃金規定|上司からの指示メール(メモ)
STEP2
弁護士 or 労働基準監督署へ訴え
部長・課長クラス|弁護士、係長クラス|弁護士 or 労働基準監督署|役職なし・一般職・派遣社員|労働基準監督署
STEP3
相談・依頼
弁護士 or 労働基準監督署に証拠書類を提出
STEP4
調査・請求
弁護士の場合は内容証明を送り交渉開始|労働基準監督署の場合は会社に対して調査を開始
STEP5
結果報告
弁護士の場合は和解 or 裁判へ|労働基準監督署の場合は調査結果報告

残業代が出ないと勘違いされがちな給与体系

あの手この手で人件費を減らす

企業はあの手この手を使って人件費を減らそうとしているので、下記に該当する方は注意が必要です。

  • 管理職(部長・課長など)
  • 固定残業制
  • みなし残業制
  • 年俸制
  • 残業時間の上限が決められている(例えば「うちは40時間までしか残業代を出さない」など)

これらの制度は企業が勝手に決めている制度ですので、労働基準法とは関係ありません。雇用契約書に残業代含むと書いてあったとしても、効力はありません。

問題となるのは実態であり、40時間以上働いた時間は全て時間外労働(残業)となり、1分単位で残業代を支払わないといけません。

そのため、上記に該当する場合は弁護士か労働基準監督署に相談しましょう。

とはいえ、証拠が必要になりますので日頃から記録を習慣が必要です。

日頃から証拠となる記録をつける習慣が大事

万が一のための7つの鉄則

万が一に備えて、次の7項目についてはかならず用意しておきましょう。

仕事をするときの7つの鉄則!

どんな職場でも万が一のために以下ができるようにしておくこと!

①|出退勤のメモを取る1分単位・休憩時間の業務含む)

②|上司の指示・発言内容のメモを取る(指示メールは保存しておくこと)

③|連続勤務日数の記録(連続12日以上ある場合は注意!)

④|給与明細は書類で手元に用意しておく

⑤|雇用契約書はすぐに用意できるようにしておく

⑥|管理職は組織図を手元に持っておく

⑦|トラブル時の弁護士は【 日本労働弁護団 】へ連絡する

メモとしているのは、企業によって荷物の持ち込み禁止の場所があるからです。

それを悪用し、セクハラ・パワハラなどのハラスメント行為や、長時間労働などが常態化している職場があります。

自分の身を守り、のちのち、泣き寝入りせずに反撃できるような資料は用意してくことが大事です。

具体的な証拠一覧

まずは証拠品集めから始めましょう。

勤怠記録(メモでも構わない)

悪質なところでは、一切の荷物の持ち込みを禁止し、タイムカードの記録をかいざんさせた上で、メモを取らせないようにしているところもあるので、その場合は帰ってから1分単位で記録しましょう。休憩時間のメモも忘れずに。

請求は過去3年分することが可能です。金額にすると数百万1千万を超える方もいると思いますので、必ず記録を取っておきましょう。

給与明細(残業代が支払われていない証拠)

残業代が支払われていない証拠となります。書類でもらっているならそのまま、データの場合は印刷しておきましょう。

特にデータの場合は退職後には見れなくなる可能性があるため、在職中に紙で保管する習慣をつけておきたいです。

雇用契約書

入社時にもらえる書類で、各種条件が記載されている書類です。昇進、昇給時にも更新されているはずですが、手元になければ最新のものを用意しておきましょう。もしもらえていないのなら後日弁護士に請求してもらうという手もあります(もらえていない企業はかなりのブラックです)

社員賃金規定

入社時にもらえるはずですが、もしかしたら社内webで閲覧するだけの企業もあるかもしれませんので、この場合も提出できる様に紙で印刷しておきましょう。

社員就業規則

賃金規定と同じく入社時にもらえると思いますが、社内webで閲覧するだけの企業もあるかもしれませんので、この場合も提出できる様に紙で印刷しておきましょう。

上司からの指示メール(管理職の方)

管理職の方は労働基準法上の管理監督者でないことを証明しなければなりません。そのためには、上司から指示を受けているという証拠が必要となります。メールを残すのが難しければ指示を受けた内容と日時をメモしておきましょう。私の場合はなくても大丈夫でしたが、万全を期すために証拠は多い方が良いでしょう。

以上の書類を揃えられれば十分でしょう。

すでに退職済みで揃えられない場合は弁護士に相談してみましょう。

証拠が足りない場合のフォローをしてくれるはずなので、出来うる限りの情報は弁護士に渡すようにしましょう。

証拠が集まったら弁護士へ

証拠が集まったら弁護士に依頼しよう

証拠が集まったら弁護士に相談しましょう。

日本労働弁護団リンクを貼っておきますので、電話をして弁護士と連絡をとりましょう。電話をすれば直接つながるか、紹介をしてくれるはずです。

不安な方は何人か相談してから担当弁護士を決めるのも良いでしょう。

弁護士と会って打ち合わせしよう

弁護士と会うときには証拠書類を持っていきましょう。

弁護士側で書類のコピーを取ってくれるはずなので、現状を説明して弁護士の反応を見てみましょう。

問題なければ正式な依頼に進みます。

その際、弁護士費用などの契約内容について説明がありますので、問題なければ依頼します。

弁護士費用の相場についての記事のリンクを貼っておきますので、気になる方は参考にしてみてください。

もし弁護士費用が払えないなどの金銭的な不安がある方は「法テラス」を利用することをオススメします。

口座残高の開示が必要となりますが、資産状況に応じて対応をしてくれますので、生活が苦しくて弁護士に依頼なんてできないと思う方は一度相談してみてください。

なお、残業代請求には時効期間があるので注意しましょう。現在は3年です。今後は5年に延長も検討されているとのことですが、過去分は時効となってしまいますので、できるだけ早く請求しましょう。

弁護士へ依頼したらあとは待つだけ

正式に依頼したら弁護士側で手続きを進めてくれます。

弁護士側で不明点がある場合は連絡があるはずですので、そのときに不足している情報などの確認をしましょう。

進捗状況が気になる方は定期的に連絡をとってみることもいいと思います。

疑問点があればその都度確認する

渡した証拠書類をもとに残業代の計算結果の確認をしてくれるので内容を確認し、問題なければOKの連絡をしましょう。

少しでも疑問点があれば必ず確認してください。

例えば下記のような疑問です。

  •  料金に追加料金はないか
  •  進捗はどの程度か
  •  証拠として必要な情報は他にないか

参考までに残業代の計算方法の記事を載せておきますが、弁護士側で計算をしてくれるので、興味がある方だけでいいと思います。

裁判か和解か

弁護士が正式に残業代の請求を会社にしたあと、会社から反論回答が来ると思います。

と同時に、和解交渉も同時に行われるので弁護士に任せましょう。

事前に和解のラインを決めておく

事前に和解金額の最低ラインを決めておく必要があると思いますが、どうしても和解交渉がまとまらない場合には裁判ということになります。

ただし、私の担当をしていた弁護士の話では裁判になったとしても判決まで待つ必要はなく、並行して和解交渉も行われるので大半の残業代請求に関しては和解で決着するということでした。

気になる方のために、和解交渉の現場ではどんな会話がされているのかを下記記事で紹介していますので、ご覧ください。

残業代請求に関するQ&A

よくある質問とその回答を紹介します。

Q1. 自分で残業したいから、残業代はいらないと言ったら、サービス残業にならないの?

A. いいえ、残業代はいらないと言っても、サービス残業になります。残業代は、労働者の権利として法律で保障されているものなので、自分で放棄することはできません(労働基準法第37条)。なお、残業代は原則として1分単位で支払わなければなりません。

Q2. 残業代請求をすると、会社に迷惑をかけるのではないか?

A. いいえ、残業代請求をすることは、会社に迷惑をかけることではありません。残業代請求をすることは、自分の権利を主張することであり、会社が違法な行為をしていることを指摘することです。会社に迷惑をかけるのは、サービス残業をさせる会社の方です。

Q3. 残業代請求をすると、同僚や上司との関係が悪くなるのではないか?

A. いいえ、残業代請求をすることは、同僚や上司との関係を悪くすることではありません。残業代請求をすることは、自分だけでなく、同じようにサービス残業をしている同僚のためにもなることです。また、上司も法律を守ることが求められる立場なので、残業代請求をすることで、上司との信頼関係が築ける可能性もあります。

まとめ

もし残業代がちゃんともらえていたら何をしていましたか?

きっと使いたいことはいろいろあったでしょう。

生活ももっと楽になっていたかもしれませんし、ローンの返済や趣味にもっとお金を使うことができたかもしれません。老後資金のために貯めておくことだってできます。

しかしちゃんと請求すれば取り返すことができるので、是非検討してみることをお勧めします。

当面の生活資金としても十分な金額が手に入るはずです。

経営者はあなた方が法律に無知だとおもって、管理職や年俸制、みなし残業、固定残業などあらゆる制度を使っていますが、これは法律ではありません。

泣き寝入りは経営者を喜ばすだけだということを覚えておきましょう。

自分自身を大切にし、自己尊重を持つことの大切さ

自分の権利を主張することは、自己尊重を持っていることを示す行動です。自己尊重とは、自分自身を大切にし、自分を愛し、尊敬し、信頼することです。自己尊重を持つことは、自分自身を守ることができるだけでなく、周りの人たちとの良好な人間関係を築くことができます。

周りの人たちとの軋轢を恐れずに行動する勇気を持とう

自分自身を守るためには、自分の権利を主張する勇気が必要です。周りの人たちと軋轢が生じることを恐れている場合は、一歩踏み出すことが大切です。自分自身を守るために自分の権利を主張することは、会社や同僚との良好な関係を築くためにも必要なことです。例えば、サービス残業をしている同僚がいる場合、その同僚が残業代を請求することで、他の同僚たちも自分の権利を主張しやすくなるでしょう。また、会社との間でトラブルが生じた場合も、正当な権利を主張することで、法的な対応ができます。

サービス残業を避けるためにも、権利を主張することが大切

サービス残業を避けるためにも、権利を主張することが大切であることを強調します。サービス残業は、労働者に過度の負担を強いるだけでなく、健康上のリスクも伴います。適正な労働条件を守ることは、自分自身の健康を守ることにもつながります。

参考記事

また、残業代を払ってくれない企業での将来は考えられるでしょうか?

そうでないのなら転職も視野に入れておいた方が良いでしょう。

私は退職してから転職活動を行いましたが、ハンデを感じることはありませんでした。

結果的に私の転職は失敗しましたが、それは私が企業を選ぶ時の基準が自分の求める基準と合っていなかったからです。

この辺りの話は次の記事でお話ししていますので、興味ある方はご覧ください。

業務と並行してできる方はいいですが、それが難しい方はまずは退職してから転職先を吟味する選択肢を入れておくのも良いと思います。

転職エージェントとは常にやり取りをして、自分の市場価値の確認とより良い転職先を探すのをオススメします。

さいごに

残業代未払いはみなさんにお金を払っていない犯罪というだけでなく、多くの時間を奪っています。

言い換えると、「会社がみなさんにしている借金」です。みなさんはすでに労働という対価を提供しているのですから、その対価であるお金を支払わないということは借金を踏み倒そうとしているのと同じです。

下手したら心身を消耗するだけでなく、キャリアを無駄にするかもしてません。

以上、今回の記事が皆さんのお役に立てれば幸いです。

それでは

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