うつ病で労災認定を受けた方法とメリット|私が実践した労災申請から認定までのステップ

私がうつ病になったのは、ベンチャー企業に入ってから1年ほど経った時でした。毎日残業や休日出勤が当たり前で、上司からもパワハラを受けていました。自分では頑張っているつもりでしたが、だんだん体力気力ともになくなっていくことを感じながら踏ん張っていましたが、ある日起き上がることもできなくなり、倒れてしまいました。

病院で診断された結果、うつ病と診断されました。医師からは休職を勧められ、3ヶ月の休職期間でも回復せず、結局会社からは「休職期間満了の自己都合退職」と言われてしまいました。会社からは傷病手当金を勧められていましたが、業務起因であることははっきりしていたため、労災申請をすることにしました。

実際に今うつ病で休職している方や退職した方など、参考になると考えこの記事を書きました。

目次

労災認定の判定基準

話の前に、労災認定されるためには審査条件を理解しておく必要があります。

精神障害(うつ病)の労災認定率は30%程度

厚生労働省から「この基準で労災認定の判断をしますよ」という基準が公表されていますので、自分がどの項目に該当するのかをチェックしておきましょう。

【外部リンク】厚生労働省ー精神障害の労災認定の資料はこちら

うつ病(精神疾患)の労災認定率はおよそ30%程度ですので、ハードルが高いです。

労災補償状況
参照元|厚生労働省HP:労災補償状況より

ただし、認定されればそれだけ手厚い補償を受けることができます。

また、認定されるためには認定基準を把握しておくことが重要です。

労災認定の申立書の作成がポイント

今回の記事ではどういった点が認定の決め手となったのか、その認定基準を含めて解説していきたいと思います。

労災申請は労働基準監督署に申請をしますが、その際に「申立書」を提出します。

この「申立書」をもとに調査を行いますので、回答できるだけの情報を整理しておく必要があります。

万が一に役立つ7つの鉄則

MEMO

このブログでは、仕事をする上で重要な項目7つの鉄則を下記に定義しています。

仕事をするときの7つの鉄則!

どんな職場でも万が一のために以下ができるようにしておくこと!

①|出退勤のメモを取る1分単位・休憩時間の業務含む)

②|上司の指示・発言内容のメモを取る(指示メールは保存しておくこと)

③|連続勤務日数の記録(連続12日以上ある場合は注意!)

④|給与明細は書類で手元に用意しておく

⑤|雇用契約書はすぐに用意できるようにしておく

⑥|管理職は組織図を手元に持っておく

⑦|トラブル時の弁護士は【 日本労働弁護団 】へ連絡する

メモとしているのは、企業によって荷物の持ち込み禁止の場所があるからです。

それを悪用し、セクハラ・パワハラなどのハラスメント行為や、長時間労働などが常態化している職場があります。

自分の身を守り、のちのち、泣き寝入りせずに反撃できるような資料は用意してくことが大事です。

ここでまとめている7ヶ条は、未払い残業代請求だけでなく労災申請の時にも役に立ちます。

労災申請で重要になるのは①〜④です。

私はこれを日課にしていたため、実績の証明に時間を取られずにスムーズに手続きを進めることができました。

そのため、これをご覧の皆さんも日課として1日の終わりにメモで残しておくようにしましょう。

なおこの資料は残業代請求の資料としても役に立ちますので、残業代請求をお考えの方はこちらをご覧ください。

≫ 実際に行った残業代請求の体験を公開します!(フロー編)

管理職でも残業代はもらえる!弁護士と相談して300万円回収した方法

ハラスメント問題に悩んでいる方はコチラの記事をご覧ください。

≫ セクハラ?パワハラ?ハラスメント上司への対抗策!

セクハラ・パワハラにあったらどうする?具体的な対処法と予防策を教えます

労災認定が極めて高い条件

労災認定の評価は総合的な判断で行われますが、「一発アウト」の項目もありますので、ここに載せておきます。

特別な出来事

心理的な負荷が極度のもの

  • 生死にかかわる、極度の苦痛を伴う、または永久労働不能となる後遺障害を残す業務上の病気や怪我をした(業務上の傷病により6ヶ月を超えて療養中に症状が急変し極度の苦痛を伴った場合を含む)
  • 業務に関連し、他人を死亡させ、または生死に関わる重大なケガを負わせた(故意によるものを除く)
  • 強姦や、本人の意思を抑圧して行われたわいせつ行為などのセクシャルハラスメントを受けた
  • その他、上記に準ずる程度の心理的負荷が極度と認められるもの

極度の長時間労働

  • 発病直前の1ヶ月におおむね160時間以上の時間外労働をおこなった場合
  • 発病直前の3週間におおむね120時間以上の時間外労働をおこなった場合
  • 発病直前の2ヶ月間連続して1ヶ月当たりおおむね120時間以上の時間外労働をおこなった場合
  • 発病直前の3ヶ月間連続して1ヶ月当たりおおむね100時間以上の時間外労働をおこなった場合
  • 出来事が発生した前や後に恒常的な長時間労働6ヶ月平均月100時間程度の時間外労働)があった場合
  • 転勤して新たな業務に従事し、その後100時間程度の時間外労働をおこなった場合

※時間外労働時間は目安であり、この基準にいたらな場合でも、労災認定することがあります

※ここでの「時間外労働」は、週40時間を超える労働時間を言います

※「時間外労働」には就業前時間や休憩時間中の時間を1分単位でカウントします

上記以外の場合は、他の条件を総合的に判断し、心理的負荷が「」と認定された場合、労災として認定されます。

私がうつ病になったきっかけ

それでは私の場合を見ていきましょう。


入社

さあ、いよいよ入社です!希望に満ちた朝です!

ところが、入社直後から違和感を感じます。

入社前の面接で聞いていた話と全く状況が違うのです。

  • 前任者が行方不明で情報がどこにあるかわからない
  • 情報整理ができていないため決算が締められない
  • 週末休めたことがない
  • 社内規定ができていない
  • 上場審査資料が不備だらけ
  • 上司のパワハラがひどく、退職者が続出
  • 退職者のフォローのため業務が激増

などなど…

そう、ブラック企業に入ってしまったのです。

私の見る目がなかったのもそうですが、会社はウソをつきます

ただ、かなり大変な状況でしたが、「時間はかかるもののなんとかなるかな」という印象でした(今思えば自信過剰だったと思います)

多忙を極める日々でストレス・疲労が蓄積

ここでさらに誤算が生まれます。

社長や上司からの飛び込み仕事(主に株主向け資料の作成)が次々と舞い込んでくるため、自分の仕事が全くできないのです。

情報整理もできない中で進めていかなければならないため、なかなか進みません。

何度も差し戻しをくらい、怒られ、ようやく完成した時には夜9時を回っています。

ここからようやく自分の業務がスタートです。

帰りは終電ギリギリ。土日も休みなし。こんな日々が続き、疲労感は常に感じていましたが、なんとか踏ん張り続けていました。

うつ病発症

ついに、疲労感だけでなく、なかなか眠ることができない睡眠障害や常に頭痛がつきまとう日々が続きます。

意識も一本の糸でなんとかつなぎとめている状態です。

頭が重い、思考力が低下、ひどい倦怠感がつづく

頭も全く働かず、会話や文字を読むことが大きな負担となって頭痛につながります。

当然仕事に集中することなんてできません。手を離したらその場で倒れてしまいそうな感覚のまま仕事を続けていました。

抑うつ状態の発症」です

健闘虚しく、毎月100 時間を超える長時間労働※1に加え、上司からのプレッシャーにより心身ともに疲弊したことが原因でした。

産業医面談で精神科の受診をすすめられる

会社の産業医面談ではすぐに精神科を受診するように勧められます。※2

※1|労災申請の基準に過去6ヶ月間の残業時間が認定されるかの焦点となります。

※2|産業医面談の記録は、実態調査の参考資料として使用されますので、時間がなくても面談を受け、実態を話しておきましょう。

それでも業務上止まることができず、走り続けるしかありませんでした。

今思えば、もっと早くに止まっておけばと思いますが、この時には正常な判断すらできなくなっています。そしてある朝、起き上がることができなくなってしまいました。

立とうとすると目の前がグルグル回ります。

大袈裟な表現ではなく、実際にジェットコースターで回転しているような感覚です。

ここまでのめまいを経験したのは初めてのため、流石にこのまま出社することはできませんでした。

体調不良により欠勤

初めての欠勤

体力は限界を迎え、朝起き上がること出来なくなりました。

なんとか会社に連絡し、当日は欠勤することになります。

感覚的に12日で治るような症状ではないのははっきりしていました。

精神科を受診

産業医から精神科を受診するように言われていたこともあり、精神科を受診することにします。

しかし精神科を予約するも、どこもいっぱいでなかなか予約が取れません。

67件連絡をしたところで最短の精神科を予約。一番早く診察してくれるクリニックは2週間後でした

結局初診までの2週間、体調不良により欠勤することになりました。

※精神科の初診を予約するのは本当に大変でした。平均して予約日から1ヶ月後でないと受信ができない病院が多く、体調不良になって動けなくなってからでは遅いです。少しでも違和感があったり、産業医面談で受診を勧められたらすぐに予約を取るようにしましょう!

うつ病診断

なんとか予約を取り付けて精神科を受診しにいきます。

精神科受診の流れ

初診のスケジュールは以下の通りに進みます。

  •  ①|問診(アンケート)|30
  •  ②|血液検査
  •  ③|医師の問診|60

①|問診|30分

これまでの経歴や、家族構成、今の生活・仕事について、アルコール摂取量、性格診断、症状についてのアンケートを記載します。

症状の原因がどこにあるのかを多面的に把握するため、私生活から仕事まで記載します。

アンケートはその後の医師の問診に使用されます。

②|血液検査

通常の血液検査と同じです。

体調不良の原因が、精神面ではなく体の異常にないかどうかを調べるために検査を行います。

③|医師の問診|60分

アンケート結果をもとに質問されます。

家族との関係や、私生活でのストレス、仕事の内容から職場の人間関係や業務負荷など、体調不良の原因がどこにあるのかを本人の言葉を聞きながら判断していきます。

私の場合は、業務負荷が大きいこと、職場の人間関係のストレスなどに加え、うまく眠れないことを伝えました。

そして診断の結果「抑うつ状態」と診断され、睡眠の薬と、精神を安定させるための薬を処方されます。

④|診断書を受け取る

そして当日に診断書を書いてもらい、休職するように勧められました。

※|うつ病の診断書は即日で書いてもらうことができます。

ちなみに、医師の診断書は封筒で渡されますが、開けて問題ありません。

というか開けないと会社に提出できないので、中身だけ会社に提出すればOKです。

そして休職へ

医師の診断書を持って会社に行きます。

事前に上司には診断結果を伝えていたので、当日は報告と休職の手続きと面談を行いました。

翌日から休職にはいります。

会社の規則により、最大の休職期間は3ヶ月です。

休職期間についての注意

注意

休職期間について注意が必要です。

休職制度は義務ではないため、会社によっては休職制度自体がない場合がありますので、「就業規則」を必ず確認しておきましょう。

もし休職制度自体がない場合は残念ながら有給を消化の後に退職となります。

ただその場合は必ず「傷病手当金」の申請はしておきましょう。

勤務期間(健康保険への加入期間)

1年以上の場合は、

退職後も継続して傷病手当金を最長で

16ヶ月受給することができます。

休職制度がある場合は翌日から休職となります。

ただし、最長の休職期間は企業によって異なります。数ヶ月のこともありますし、

1年以上の期間を設けている企業もあります。

うつ病は回復まで年単位かかることも珍しくないので、制度をうまく利用しましょう。休職することを気に病むことはありません。利用するために制度があるのですから。

まとめ

①|休職制度がない場合
|最長で有休消化の後に退職となります。退職の前に「傷病手当金」の申請を行うこと。

②|休職制度がある場合
|企業によって休職期間が異なるため、就業規則を確認する。その際でも「傷病手当金」の受給申請を行う。最低限これだけはやることをオススメします。

参考|弁護士西川暢春の咲くや企業法務TV

従業員にうつ病の兆候が出た際の会社の対応方法

うつ病で休職する従業員への対応方法

参考|休職期間満了で休職者を退職扱いとする場合

会社を退職

休職期間の3ヶ月経過するも、症状は労働可能な状態まで回復せず、休職期間の満了となり退職となりました。

先ほども記載しましたが、うつ病などの精神疾患の場合は数ヶ月で治ることはまずありません。ですが、無理をして復帰して再発する方が多くいます。

うつ病の再発率は60%

うつ病を甘くみてはならない

うつ病の再発率は高く、厚生労働省のレポートでも

いったん改善しても約60 が再発しますし、回うつ病にかかった人では70 回かかった人では90 と再発率は高くなります(厚生労働省HP|コラム・活動事例・資料編より引用)」とあるため、無理をして復職することはオススメしません。復帰をしても以前と同じように働くのは無理なので、しばらくは治療に専念しましょう。

私は無理をせず、治療に専念することにしました。この判断は正しかったと思います。

労災申請を決意

退職後に労災申請することは可能

退職後は治療に専念し、薬物療法や精神診療により少しずつ症状が改善していきました。

在職中の業務上のストレスや負荷が原因で体調を崩したことはわかっていたので、労災申請を行うことにしました。

体を動かせるようになってから、会社に対して労災申請を行います

※|労災申請には時効があり期間は発症から2年です。退職後も申請可能なので時効に気をつけて、できる限り早く申請しましょう。

労働基準監督署と相談し、長時間労働による精神負荷が原因として、労災の申請書を送付します。

労災申請を行うにはどの様式でも構いません。一つでも様式を提出したら、その書類が受理された時点で労災申請となります。

事業主証明欄は空欄でOK

ただその前に、「事業主の証明」欄に会社の署名を依頼しないといけません。

なお依頼は最初の1回だけでOKです。仮に会社が署名を拒否してもそのまま提出することが可能です。ただし、拒否された場合は「事業主の証明の拒否のため空欄」と記載しなければなりません。

会社から電話確認

労災を取り下げてほしいという会社からの連絡

申請書を受け取った会社から状況確認と称し連絡が入ります。

状況確認という名目ですが、内容は「労災申請を取り下げてほしい」というものでした。

治療費に関してはこちらで負担する」との提案もありました。

もちろん拒否です。

もしこのような提案がされたとしても

決してこんな言葉に惑わされてはなりません!

なぜならその約束が守られる保証などない上に、労災申請は会社に対する抗議の意味を込めているのですから。

今後も同じような人を出さないために労災申請のペナルティが存在するのです。

むしろこのような提案をするような企業は「労災隠し」を行う悪質な企業だということを覚えておきましょう。他の同様の犠牲者を出します。

拒否をした結果、会社側は申請書にサインしないとの回答。

※労災申請をする場合は会社側は高確率で取り下げを要求してくると思いますので、心構えはしておくようにしましょう。

会社から書類返送

電話から1週間ほどして会社から事業主の証明欄が空欄の書類が返送されてきました。

業務が原因ではないとの反論

一緒に正式に会社から労災申請の原因は長時間労働にはないとの反論書が送られてきました。

入社からの期間が短いこと、自身の裁量で解決または解決策の提案を行うことができる立場であったこと、また、休職期間中の症状や業務との因果関係も明確でないことなどから、貴殿の主張する労働災害事件の申請について異議を申し立てます。

※参考までに反論書の内容を公開した記事を貼っておきますので、興味のある方はご覧ください。

労働基準監督署へ申請様式を送付

労働基準監督署に確認したところ、事業主証明欄のサインは不要とのことなので、会社側はサインを拒否した旨を伝え、申請様式を労働基準監督署に送付。

労災申請様式の「事業主証明欄」は空欄でOK

様式8号事業主証明欄
様式8号事業主証明欄

※|労災申請で提出する申請書には会社の署名欄がありますが、空欄で提出しても問題ありません。ただし、会社が署名するしないに関わらず、最初の1回のみ会社に署名の依頼をしなければなりません(嫌ですよね)。一回だけですのでここは我慢して送りましょう。

労働基準監督署から申立書書類を受領

正式に申請のために、事前の聞き取り調査用の「申立書」を受け取る。

※申立書とは労災申請をする人が原因と考えられる理由を書いた書類をまとめるための様式のこと。

この申立書は重要です。

のちに聞き取り調査がありますが、こちらから情報発信できるチャンスです。

私は送付された申立書とは別に資料を用意して提出しました。

精神障害の労災認定判定基準

ここで出てくるのが厚生労働省が公表している労災認定の基準です。

記載する内容はここで出てくる項目に沿ったものにすれば労働基準監督署の監督官とのやりとりがスムーズになります。

【外部リンク】厚生労働省ー精神障害の労災認定の資料はこちら

ここで「特別な出来事」に該当すればそれを記載すればいいですが、該当しない場合は5ページ目以降の「特別な出来事以外」の部分に該当する項目に当てはまる部分に注力して記載しましょう。

申立書の作成

まずは申立書の記載項目は次のとおりです。

精神的な症状の発症
  • 具体的な症状
  • 病院へ行くことになったきっかけ
  • 出現した心身等・出来事に関する事項

仕事上の出来事

ここでは「精神障害の労災認定の資料」から「特別な出来事以外」の部分に該当する項目を記載します。

私が記載した項目は以下の通りです。

  • 8|達成困難なノルマが課された
  • 9|ノルマが達成できなかった
  • 15|仕事内容・仕事量の変化を生じさせる出来事があった
  • 16|1ヶ月に80時間以上の時間外労働を行った
  • 17|2週間以上にわたって連続勤務を行った
  • 23|複数名で担当した業務を1人でするようになった
  • 29|嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた
  • 30|上司とのトラブルがあった

業務原因・特記事項

この項目では、自由な記載項目です。

できるだけ思いつく項目を片っ端から書いていくくらいがいいでしょう。

多くの情報を監督官に伝えられるだけ伝えましょう。

最後に、あなたが今回の精神障害の発病が業務に原因があると考える理由を詳しく教えてください。また、その他調査にあたり参考となる特記事項がありましたら記入してください。

  • 精神障害の発病が業務に原因があると考える理由
  • 調査にあたり、参考となる特記事項
    • 労働環境について|労働環境の悪さを指摘しました、退職者の多さなどを記載。
    • 時間外労働|残業時間の月別推移表を作り記載。
    • 会社側の認識|会社からの反論書にたいする反論を記載。
    • 病状について|自覚症状について、症状の変化を記載。
    • 労災申請についての会社からの連絡|労災申請を取り下げをする依頼があったことを記載。
    • 業務内容|日常の基本業務を記載。
    • 他部署対応の業務|退職者のフォローや飛び込み業務について記載。

申立書を作成後、労働基準監督署に送付します。

申立書の詳しい内容については、下記リンクをご参照ください。

労基署からの聞き取り調査

申立書の内容をもとに、労働基準監督署の調査官から電話で聞き取り調査を受けます。

電話での聞き取り調査

基本的に労働基準監督署は労働者の味方ですので、話せることは全て話して大丈夫です。

聞き取り調査で得た情報をもとに、会社に調査官が実態調査を行います。

参考動画【弁護士西川暢春の咲くや企業法務TV】

労基署の調査結果までは約半年

電話の聞き取り調査の後は後は待つだけです、一般的には約半年ほどかかるとの話でした。

調査結果が出るまでは待つだけ

労基署は申立書の内容と事実関係を確認するために、会社に対して調査を行います。その際、在籍時の職務内容や労働時間、指揮系統などを総合的に判断し、結果を労働局へ報告します。

労働局での審査が終わった後に、正式に労災認定の可否の判断がなされます。

私の場合は結局約5ヶ月に及ぶ調査の末、承認の可能性が高いとの連絡を受けました

入金口座確認

実際に休業補償を入金するための口座確認の連絡が入ります。

労災補償を受け取るための口座確認

ゆうちょ銀行でもメガバンク、地銀でもどこでも構いません。入金先の口座を伝えましょう。

ここまで来ればほぼ労災認定は確定です。

労災認定連絡のあと入金

正式に労災が認定されたことの連絡を受けます。申請から認定まで約6ヶ月。

これでも早い方らしく、時間がかかる人の場合はもう数ヶ月必要となるそうです。

以上のような流れとなります。

入金は口座確認から約1ヶ月後

実際に入金されるのは入金口座確認から約1ヶ月かかりました。

以後は継続的に様式を提出し、休業補償と医療費を労働基準監督署へ請求することになります。

労災認定の一番大きいところは、寛解(うつ病は完治しないので体調が安定した状態)まで面倒を見てくれるところです。

保険組合の傷病手当金では最大でも16ヶ月までなので、長期化しやすいうつ病の場合は非常に大きな違いとなります。

労災が認定されたら場合は各種手続きが必要となるので下記の記事を参照してください。

参考動画【弁護士西川暢春の咲くや企業法務TV】

労災認定された場合は復職が可能な場合もある

業務上の理由によるうつ病患者の解雇には規制があるため、労災認定された場合には解雇無効なるケースがあります。

労働基準法第19条による解雇規制

労働基準法第19条では、業務上の理由で疾病にかかった場合の休業期間とその後30日間は解雇できないとあります。したがって、業務に起因するうつ病であると認められた場合は、この規定に従って解雇する必要があります。

ただし、休業期間を経過しても復職できない場合は、解雇が認められる可能性があります。ただし、医師が復職可能と判断している場合や、会社に原因がある場合は、解雇は不当解雇となります。

また、復職を希望している従業員が、休職前と同じだけのパフォーマンスで働けないときであっても、社内でできる別の仕事があるのであれば復職を認めなければならないという点も注意が必要です。配置転換や準備期間などの配慮をしなければなりません。

業務上の理由によるうつ病患者の解雇規制は、従業員の療養や復職を優先するものです。会社側は解雇する前に十分な配慮や工夫をする必要があるため、解雇に対するハードルは高いのです。業務上の理由による労災認定は労働基準法第19条の証明にもなるため、うつ病の労災申請をオススメしています。

労災認定された場合とされなかった場合の解雇の違い

労災認定された場合とされなかった場合では、解雇の可否や条件が異なります。

労災認定された場合

労災認定された場合は、労働基準法第19条では、業務上の疾病であるうつ病で休職した場合、休職期間とその後30日間は解雇できないと定められています。また、3年間の療養で疾病が治らない場合には、平均賃金の1,200日分の打切補償を支払うことで解雇することができます。

労災認定されなかった場合

労災認定されなかった場合は、就業規則に休職期間が定められていれば、その期間を経過しても復職できない場合は解雇することができます。ただし、医師が復職可能と判断している場合や、会社に原因がある場合は、解雇は不当解雇となります。

以上のように、労災認定された場合とされなかった場合では、解雇の可否や条件が異なります。会社側は、従業員の状況や医師の診断を確認し、適切な対応をする必要があります。

まとめ

全体の流れのイメージはできたでしょうか?

全体の流れをおさらい

流れをおさらいすると次のようになります。

STEP1
労災申請書を送付
会社に労災申請書を送付し、事業主証明欄に記載を依頼
STEP2
会社から書類返送
会社から申請書を返送される(事業主証明欄の記載はあってもなくてもOK!)
STEP3
労働基準監督署へ書類送付
様式に必要事項を入力した書類を労働基準監督署へ提出
STEP4
申立書受領
労働基準監督署から申立書が送られてくるので、項目に記載し返送
STEP5
聞き取り調査
労働基準監督署から聞き取り調査の連絡が来るので質問に回答する
STEP6
実態調査
労働基準監督署が会社に対して実態調査を行う
STEP7
事前に入金口座の確認連絡が来る。正式に認定されれば入金され手続き完了。以後は定期的に様式を提出する必要があるが事業主証明は不要
STEP8
休業損害請求
症状が回復したら(寛解状態)、平均賃金の40%を損害賠償請求することができます。つまり合計で平均賃金の120%をもらうことができるのです!

≫ 法廷で会おう!休業損害の獲得へ!(うつ病による労災)

労災でうつ病になったら休業損害も請求できる!その方法と注意点

再度労災認定までの判定基準のリンクを載せておきますので参考にしてみてください。

なお、特に意識したいのが未払い残業代がある場合です。この場合は受給できる平均賃金に大きく影響しますので、心当たりのある方は覚えておきましょう。

また、気になる点としては休職期間満了後に労災認定されたらどうなるのか?ということです。この点についても担当弁護士と会話しましたので、参考までに残しておきます。

参考|労災認定されたら退職はどうなる?

今回の記事でうつ病の場合は労災の結論が出るまで6ヶ月近くかかるということを確認しました。

私の場合もそうでしたが、労災認定後にすでに退職している場合はどうなるのでしょうか?

基本的に休職期間の満了は、「業務外のケガ・疾病によるもの」が対象となります。

ですが、労災認定された場合は「業務上のケガ・疾病が原因」ということが公式に認められたということになるため、退職は無効になる可能性があると思います。

おそらく退職自体は「自己都合退職」となるケースが多いと思いますが、労災で休職中の社員を解雇することはできないという決まりがあるため、この点については弁護士に相談する価値はあるでしょう。

私の場合は復帰するつもりはありませんでしたが、復帰の条件としては揃っていると思いますので、職場復帰を考えている方は弁護士に相談してみるのも良いかもしれません。

あくまで参考情報ですが念の為記載しておきます。


休業損害に備えて開示請求をしておこう

最後に一つ記事を紹介しておきます。

労災申請の後の話ですが、認定されていてもいなくても、その理由を「開示請求」という手続きで知ることができます。

今回私が労災認定された理由についての詳細を労働局から資料をもらっていますので、その内容を公開しています。これから申請する方の参考になると思いますので、これまでの記事と合わせてご覧ください。

以上、この記事がみなさんの参考になれば幸いです。

それでは

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA