【実例紹介】うつ病労災認定のための申立書の書き方(仕事上の出来事編)

今回は、労働基準監督署に提出する申立書の項目である

症状の出現に影響した仕事上の出来事

について、実際に私が提出した内容をお見せしたいと思います。

カテゴリーは厚生労働省が発行している「精神障害の労災認定」のうち、別表1「業務による心理的負荷評価表」をもとにしています


達成困難なノルマが課された

業務上明らかに多すぎる業務量や高すぎる目標を設定している場合は記載しておきましょう。

具体的な内容

  • 指示命令系統が統一されていない(社長・上司それぞれから別の指示が来る)
  • 業務範囲が明確ではなく、五月雨式に上司から業務指示を受けていた。
  • 毎週複数回の会議があり、その度に課題を出されるため、業務量が増え続ける一方だった。
  • 退職者の業務や株主対応資料の作成など、本来の業務範囲を超える業務を対応する必要があった。
  • 情報の共有がされておらず、いつの間にか自分が担当になっている業務があることが度々あった(株主報告資料・予算作成等)。

ノルマが達成できなかった

設定されたノルマが達成できなかった場合も、仕事のストレス要因とみなされます。

具体的な内容

突発的な対応を頻繁に迫られるため、様々な仕事の納期が遅れ、社長から叱責を受けることが度々あった。

たびたび会議用の資料作成指示がくるため、本来の業務に遅れが生じることが度々あった。

仕事内容・仕事量の変化を生じさせる出来事があった

私の場合は、入社前までさかのぼります。実際の業務と面接時の会話に乖離があり、やるべき業務に集中できなかったことがストレスにつながりました。

具体的な内容

入社前に聞いていた環境と違い、決算体制や上場準備等の整備ができておらず、一から確認作業に対応しなければならない状況だった。※上場準備は順調に進んでいるとのことだったが、入社後最初に証券会社との打ち合わせに参加した時には、体制が整っていないため、上場は難しいとの意見だった。

まともに業務の引き継ぎが行われなかったため、資料を一つ一つ探しながら業務を進める必要があり、多大な時間を要した(前任者の業務すらも不明)

情報管理等の体制整備ができていないため、確認作業に多大な時間を要した(過去の数値の信憑性と整合性を業務ごとに確認する必要があった)。※決算体制や労働環境について入社前の上司の発言と現状には大きなギャップがあった。

全体の確認作業や見直しから始める必要があるため、入社前に確認していた業務改善や上場資料の作成等への時間が割けない状態だった(聞いていた話より実態はずっと悪い状況だった)

突然資料作成を依頼され、内容も社長や他部署とのコンセンサスが取れていないものがあり、度々やり直しを求められた。

総務・人事マネージャ退職のため、一部の業務または全部を引き受ける必要があった

部下の残業時間削減のために、業務を一部引き受ける必要があった。

1ヶ月に80時間以上の時間外労働を行なった

「精神障害の労災認定」に記載されていますが、長時間労働は大きな要素となります。何時間以上の残業が常態化していたか。また、その理由についても併せて記載しておくと伝わりやすいです。

具体的な内容

部下も含め、業務量が手一杯の状況だったが、自らの権限が制限されているため、業務量を調整する(人を採用するなど)ことができなかった。

業務量に対応するため、休日出勤や連日の深夜残業で対応する必要があった(それでも間に合わない状況)

常に納期に追われており、内容を精査する時間が取れず、業務品質が下がるため、やり直しによる時間が多く取られた。

残業時間の集計・共有はしていたが、対策は一般社員の残業時間制限を指示するだけであり、管理職については具体的な対応策は取られなかった※時間外労働の推移表により管理していた。ただし、タイムカードと勤怠システムが連動していないため、中には虚偽記載もあったと思われる(実際よりも少なく入力させていた)。

また、月100時間の残業をしていることは上司も認識していたが、業務内容を考えると「妥当」として問題にすることなく、放置していた。※かつて自分はもっと多くの残業をしていたとの発言があり、残業時間の多さについて問題意識が低かったと考えられる。

2週間以上にわたって連続勤務を行なった

連続勤務も重要な要素です。具体的には12日以上の連続勤務は負荷が高いとみなされます。

具体的な内容

  • 連続して最大12日にわたり連続勤務を行うことに加え、日常的に深夜残業を行わざるを得ない環境だった。
  • 会議や資料作成を突然依頼されることが多いため、予定していた健康診断を受けることができなかった。
  • 時間が足りず、昼休憩を削るなどして対応していた。
  • 手元の業務全てに対応をすることが不可能なため、直近の業務に注力せざるを得ず、常に納期に追われる状況だった。
  • 日常的に深夜まで労働していたが、それでも間に合わないため、度々社長から叱責を受けていた(上司のフォローはなし)。
  • 自身では対応できない量の業務のため、増員を提案するも、管理部門の人員は増やさないとの社長の意見があり却下された。
  • 業務軽減のために、株主向けの報告資料の作成を軽減すること上司に提案するも、「仕方ない」として対応されなかった。

複数名で担当した業務を1人でするようになった

業務の負荷が上昇する要因として立派な理由になります。退職・異動などにより、業務量が大きく変動した場合は記載しておいた方が良いです。

具体的な内容

  • 在籍期間中、休職前の時点で総務・人事マネージャーが2名体調不良から退職に至っており、本来複数人で行う業務を一人で請け負わなければならない状況になった。
  • 客観的な指標としては、当時の上司が管理本部長となってからの、部下の離職率はかなり高いものであった。
  • 部下の時間外労働削減のため、部下の業務を請け負う必要があった(株主向け報告資料、取締役会資料)。

嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた

どんな小さなことでも構いません。上司の言動など、不快に感じたことや業務に支障が出ていた場合には記載しておきましょう。

具体的な内容

上司はこちらの意見を聞きいれる姿勢がないため、一方的に意見を聞かされるだけになり、業務上の相談は期待できなかった。

上司は自身の忙しさを強調し、相談を受け入れない姿勢だった。

株主や役員、社員に対する不満を日常的に聞かされ、不満をぶつけれらることが度々あった。※業務環境は密室のため、上司の発言は外部に声を聞かれる心配がなかっため、顕著に表れていたと思われる。

職場が密室のため、外部に発言を聞かれる心配がなく、上司に株主、社長、社員への暴言や不満をぶつけられることが度々あった。

上司の同僚(退職済みの総務・人事マネージャー)への叱責・暴言を聞くことが多々あり、ストレスを感じる環境だった。

上司から日常的に会社や社員への不満を聞かされており、不快だった。

不満や改善案を社長に直接提言することがないため、状況を本気で改善させる気があるのか疑問を感じずにいられなかった。

上司から業務と関係ないことで頻繁に話しかけられるため、業務に集中できる環境ではなかった。

上司とのトラブルがあった

上司からパワハラ的な言動があった場合など、ストレスに感じていた内容を記載しましょう。

具体的な内容

社長・管理本部長(上司)間のコミュニケーション不足による指示内容の齟齬が多く、手戻りが多く発生。

上司の代わりに社長へ説明に行き、叱責を受けることが度々あった。

会議においても社長から度々強い叱責を受けた。

叱責の内容は上司にも大きく関係することであったが、フォローされることがないばかりか、責任を押し付けるような発言が多々あった。

業務の指示なのか、個人の意見を述べているだけなのかわからない曖昧な指示を受けることが度々あった。


まとめ

以上が、実際に提出した申立書の記載内容です。

思いつく限りの精神的負担部分を記載して提出しました。

のちの電話での聞き取り調査もこのおかげでスムーズにいった面もあるので、かけることは片っ端から書くくらいの考えでいいと思います。

今回ポイントとなったのは1ヶ月に80時間超の残業時間があったことと連続12日間勤務が決め手となりましたが、もしここまで残業時間をしていない方でも、普段の業務上でストレスを感じる環境である場合、認定される場合があるので、多すぎるくらいの記載でちょうどいいと思います。

下記に労災申請に関する記事リンクを載せてますので、興味のあるテーマからご覧ください。


以上、今回の記事が参考になれば幸いです。

それでは

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA