【実例紹介】うつ病労災認定のための申立書の書き方(業務起因性編)

さて、いよいよ申立書の最後の項目です。

まだ、申立書の記載方法についての記事をご覧になってない方は下記をご覧ください。

【実例紹介】うつ病労災認定のための申立書の書き方(症状の発症編)

【実例紹介】うつ病労災認定のための申立書の書き方(仕事上の出来事編)

申立書には次のように記載されています。

最後に、あなたが今回の精神障害の発病が業務に原因があると考える理由を詳しく教えてください。

また、その他調査にあたり参考となる特記事項がありましたら記入してください。

配布される書類では記載範囲が小さいので、自分で別に用意しておくことをオススメします。

それでは早速内容を見てみましょう!


精神障害の発病が業務に原因があると考える理由

ここでは業務とうつ病の因果関係を証明することが重要になります。具体的な内容は以下のとおりです。

業務上受けたストレスの内容

  • 業務中のストレスが増加するにつれ、体調悪化が日々進行していた事、また、休職・退職後に体調が回復している点。
  • 業務外でストレスを感じる事象がない事(常に会社に拘束されており、私生活は無いも同然だった)
  • 日常的な精神的ストレスを感じ続ける環境だった。
  • 上司は日常的に同僚(退職済みの総務人事マネージャー)に対し、大声で叱責、人格否定等を行っていた。
  • 上司は自分の業務の大変さや忙しさを常にアピールしており、業務上のサポートを受け付けない環境だった。
  • 上司と社長の間に不和があり、申請書や資料説明で上司の代わりに叱責を受けることが度々あった。
  • 上司が社長より叱責を受けた際、責任をなすりつけられたことが度々あった。
  • 事前の説明なく突然業務を指示されたり、業務スケジュールを変更されることが多々あり、自身で業務をコントロールすることが不可能だった。
  • 上司から頻繁に話しかけられ(大抵は株主・社長・社員への不満)業務に集中できず、常にストレスを感じていた。

調査にあたり、参考となる特記事項

ここでは、これまでに書ききれなかった内容を記載します。

思いつく限りの情報を記載しておくと、ストレス要因に該当する項目を満たす可能性につながるため、記録してある情報や記憶を頼りに関連性のある内容を記載しましょう。

労働環境について

上司が管理本部長時代の管理部門の離職率(退職者数)の高さ。1年半程度で10人近く退職(自分を含む)

自分が入社後半年以内に、2人の総務・人事マネージャーが退職している。※2名とも体調不良による時短勤務を経て退職している(過去の出退勤履歴で確認可能)。

時間外労働

残業時間の集計・共有はしていたが、対策は一般社員の残業時間制限を指示するだけであり、管理職については具体的な対応策は取られなかった。※人員を増やすことは社長に却下されていたため、部下の残業時間削減のため、分担していた業務を請け負う必要があった。

月100時間の残業をしていることは上司も認識していたが、業務内容を考えると「妥当」として問題にすることなく、放置していた。※かつて自分はもっと多くの残業をしていたとの発言があり、残業時間の多さについて問題意識が低かったと考えられる。

会社側の認識について

業務への対応の限界や体調不良から退職を申し出るが、社長から上司の交代等の対応策を提案され保留となる。

また、産業医面談にて「いつ倒れてもおかしくない状況」と言われており、状況改善を産業医から会社に提言すると言われていた。※会社側の主張では、休職前に異変は見られなかったとしているが、上記は明らかに異変と捉えるべき内容だと考える。

労災申請についての会社側からの電話連絡

労災申請について、会社より状況確認の名目で電話があり、「休業補償分を会社で負担した場合はどうか」「現在の従業員への影響は考えないのか」等、労災申請を行わないように促す発言があった。

これは実際にあったことなので、これから労災申請を行う予定の方は注意してください。なんらかの方法で労災申請を取り下げるように言ってきますが、約束が守られるとは限りません。そもそも、長時間労働を強いたりサービス残業を強いる企業の話は聞くに値しないことを言っておきます。

まとめ

以上が、労災申請で提出する申立書で私が実際に労働基準監督署に提出した内容です。

ここでは名称は伏せていますが、誰にいつどんなことをされたかについても記載しておくべきでしょう。

労災申請で労働基準監督署で情報を渡せる機会は多くありません。

伝えられる機会を生かし、労災認定を勝ち取りましょう!

以下に労災関連のリンクを貼っていますので、ぜひご覧ください。


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以上、この記事が皆さんの参考になれば幸いです。

それでは

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