労働組合のある会社にお勤めの方は組合費を払っていると思いますが、何に使われているか知っている方は少ないのではないでしょうか?
どうにかできるものではありませんが、知っておいた方が良いとも思うので、今回は労働組合の組合費についてお話ししたいと思います。
組合が全然活動しないのに組合費だけは上がっていく状態を経験しているので、企業によっては形骸化している組織になっています。
ベースアップよりも年次の昇給に合わせた組合費の上昇の方が高いなんて笑えない話もあります。
労働者のために戦う組織という時代は大昔の話なのでしょうか。
それでは内容を見ていきましょう。
労働組合があるから安心という考えの危険性
労働組合があるから安心と思っていませんか?
労働組合があるからボーナスの確保できるのだ。と思っていませんか?
全ての企業を見たわけではありませんが、一般的に優良企業と呼ばれている企業の労働組合にいた経験をお話しすると
そんなことはありません。
ボーナスは労働組合が頑張って企業と戦って勝ち取っているのではありません。
昔は確かにそうだったのでしょう。
ですが今の労働組合と経営者との事務局折衝は形骸化しています。
企業によって様々ですが組合費が何に使われているかご存知ですか?
私は組合の会計監査をやっていた経験があります。
労働組合の予算と実績の比較、それから何にお金が使われているか、全ての伝票をチェックすることです。
内容を見てみましょう
- キャバクラ
- 宴会
- 飲み会費
- キャバクラ
- キャバクラ
- 会食
- キャバクラ
- キャバ…
ほとんどがキャバクラでした…。
みなさん毎月いくら組合費が引かれているか給与明細を見てみてください。
自分のお金が何に使われているかはよく知っておきましょう。
ベースアップの交渉金額より多い金額が引かれていませんか?
「ベースアップするよりも組合費を下げてくれよ!」
という笑い話もあるほどです。
これが使用されている組合費の実態です。
まあ、そもそも労働組合がちゃんと機能していれば未払い残業代なんてものは発生しないはずなんですけどね。
ボーナス・ベースアップのために交渉を頑張っているのは誰か?
ではボーナスは?
ベースアップ交渉は?
組合員の皆さんは集まって組合の活動報告を受けていますよね?
その都度組合との交渉が行われている。会社と戦っている姿を写真で見せられますよね?
ボーナス・ベースアップを決めているのは経営陣です。
年度計画は四半期ごとに見直します。
その時に進捗状況と年間の見込みを出します。
そして利益が大きくなり過ぎたりすると外部に公表している年間予想との乖離が発生します。
その場合は「業績修正」を外部に公表しなければなりません。
経営者によってはこれをすごく嫌がります。
そこで調整するのが従業員の給料です。
ボーナスは会社の利益を調整するのに便利な項目なのです。
そして経営会議で先にボーナス額を決め、それに合わせるように数回の交渉を経た上で見事交渉成立。
交渉が始まる頃にはボーナス額は決まっています。
今の労働組合にボーナスを強制的に出させる力はありません。
ベースアップも同様に経営陣の一存で決まります。
ただし、一度挙げた給与を下げるのは難しいのでベースアップはなかなか行われません。
日本でストライキが起こったという話はほとんど聞きませんよね?
アメリカではよくストライキが起こります。
労働者がしっかりと意思表示をして経営陣に要求をするからです。
日本の労働者は、労働組合までもがすっかりと経営層に飼い慣らされ戦う力などないのです。
その証拠に労働組合がある企業でも、名ばかり管理職やサービス残業が横行しています。
なぜ組合はそんな悪行を放っておいているのでしょうか?
彼らにはそんな力はもはやないからです。
過去からの慣習で続けてきていることを
「形式的」
に続けているだけに過ぎません。
そのため、これから入る就活生や転職者は気を付けておいた方がいいです。
労働組合があるから安心だ。
この考えは幻想です。
彼らは労働者にまともな賃金を払うための行動すら起こせないのですから。
名ばかり管理職・みなし残業代・固定残業代・年俸制などの理由で残業代が出ないと言われている方は必ず自分で行動しましょう。
時効は3年ですので、早めに動くことをお勧めします。
豆知識「一足早く失礼させていただきます」の真意
組合の総会に出席された方も多いかと思いますので、豆知識を教えます。
総会の時、偉い人が来てスピーチをした後こんな場面を聞いたことがありませんか?
「この後スケジュールがありますので、先に失礼させていただきます」
これ、私も知りませんでした。
「忙しい人なんだな」
と思っていただけでしたが、
実際は「一足早く飲みに行ってますね」という意味なのです。
組合の総会には打ち上げがあるのですが、みたことがある人がいました。
そう、さっきスピーチしていた人です!
あれ?予定があって帰ったんじゃなかったの?
そう予定があったのです。
居酒屋で一足早く飲むという予定が…。
ここで純粋だった私は真実を知り、
「世の中の大人って汚い!」
と思うのでした。
まとめ
今回は少し趣向を変えて、知っている人は知っている。知らない人は全く知らない情報についてお話ししました。
組合会計監査をやったことがある方にとってのあるある話ですね。
逆に組合の支部長などの役職についたことがない方は全く知らないことだと思います。
いずれにしても一つ言えることは
多くの労働組合は
「形骸化」
しているということです。
本当に戦う組合員になった場合、日本の伝統的な企業では出世を遅らせるだけですから、そこまでリスクを取って行動する人などいないでしょう。
いたとしても誰もついていかないと思います。
何度でも言いますが、「労働組合があるからホワイト企業、労働者が守られる」というのは幻想です。
企業選びの一つとして今回の記事を書かせていただきました。
また、労働組合は残業代回収やハラスメント対策はしてくれないので自分で対応しましょう。
≫ 管理職って残業代出るの?答えは出ます!(残業代請求体験談)
以上、参考になれば幸いです。
それでは