会社とのトラブルに直面したとき、どうすればいいのでしょうか?会社を訴えることは一つの選択肢ですが、その方法はケースによって異なります。
この記事では、会社を訴える方法について、残業代請求、パワハラ、セクハラ、不当解雇の4つのケースに分けて解説します。それぞれのケースで必要な証拠や手続き、注意点などを紹介します。
会社を訴えることは簡単ではありませんが、自分の権利を守るためには必要な場合もあります。この記事があなたの参考になれば幸いです。
目次
残業代請求
残業代請求とは、会社が支払っていない残業代を求めることです。残業代は労働基準法※労働基準法第37条に基づいて支払われるべきものであり、会社が不払いや不足分を支払わない場合は違法です。
残業代請求の方法は、直接労働基準監督署に出向いて訴える方法、電話で訴える方法、メールで訴える方法の3通りです。労働基準監督署に出向いて訴える場合、会社の所在地を管轄する労働基準監督署または自宅付近にある労働基準監督署のいずれでも訴えることができます。労働基準監督署の所在地については厚生労働省のホームページで確認可能です。
残業代請求の注意点は、訴える前に残業時間や残業代の計算方法を確認すること、証拠となる勤務表やタイムカードなどを用意すること、会社との交渉や調停に備えることなどです。残業代請求のメリットは、正当な報酬を得られること、会社の残業管理の改善につながることなどです。デメリットは、会社との関係が悪化すること、訴訟になる場合は時間や費用がかかることなどです。
参考|弁護士 西川 暢春 – 弁護士法人 咲くやこの花法律事務所
パワハラ
パワハラとは、職場での権力や立場の差を利用して、相手に精神的・身体的な苦痛を与える行為です。パワハラは、働き方改革関連法によって禁止されており、被害者は加害者や会社に損害賠償を請求できます※労働施策推進法。
パワハラを訴える方法は、会社の内部で解決する方法と、会社の外部で解決する方法の2つがあります。会社の内部で解決する方法は、パワハラ防止対策推進者や相談窓口に相談すること、パワハラの事実を証明するために証拠を集めること、会社に対して是正措置や損害賠償を求めることなどです。会社の外部で解決する方法は、総合労働相談コーナーや弁護士に相談すること、労働委員会や裁判所に申し立てることなどです。
パワハラを訴える注意点は、パワハラの定義や要件を理解すること、パワハラの内容や頻度、影響などを具体的に記録すること、第三者の証言や証拠を得ること、相談や申し立ての期限を守ることなどです。パワハラを訴えるメリットは、パワハラの停止や是正、損害賠償の獲得、精神的な回復などです。デメリットは、会社との関係の悪化や解雇のリスク、訴訟になる場合は時間や費用がかかることなどです。
参考|弁護士 西川 暢春 – 弁護士法人 咲くやこの花法律事務所
セクハラ
セクハラとは、職場での性的な言動や行為によって、相手に不快感や不利益を与える行為です。セクハラは、男女雇用機会均等法や労働契約法によって禁止されており、被害者は加害者や会社に損害賠償を請求できます※男女雇用機会均等法第11条関係。
セクハラを訴える方法は、パワハラと同様に、会社の内部で解決する方法と、会社の外部で解決する方法の2つがあります。会社の内部で解決する方法は、セクハラ防止対策推進者や相談窓口に相談すること、セクハラの事実を証明するために証拠を集めること、会社に対して是正措置や損害賠償を求めることなどです。会社の外部で解決する方法は、総合労働相談コーナーや弁護士に相談すること、労働委員会や裁判所に申し立てることなどです。
セクハラを訴える注意点は、セクハラの定義や要件を理解すること、セクハラの内容や頻度、影響などを具体的に記録すること、第三者の証言や証拠を得ること、相談や申し立ての期限を守ることなどです。セクハラを訴えるメリットは、セクハラの停止や是正、損害賠償の獲得、精神的な回復などです。デメリットは、会社との関係の悪化や解雇のリスク、訴訟になる場合は時間や費用がかかることなどです。
参考|中小企業法務チャンネル
不当解雇
不当解雇とは、会社が正当な理由なく、労働者の雇用契約を解除することです。不当解雇は、労働契約法や民法によって無効とされており、被害者は雇用の回復や損害賠償を請求できます※労働契約法16条。
不当解雇を訴える方法は、会社との話し合いや調停を試みる方法と、労働委員会や裁判所に申し立てる方法の2つがあります。会社との話し合いや調停を試みる場合、労働組合や弁護士の支援を受けることが有効です。労働委員会や裁判所に申し立てる場合、不当解雇の無効確認や雇用の回復、損害賠償などの救済を求めることができます。
不当解雇を訴える注意点は、解雇の理由や手続きを確認すること、解雇の通知書や証拠を保管すること、申し立ての期限を守ることなどです。不当解雇を訴えるメリットは、雇用の回復や損害賠償の獲得、会社の解雇管理の改善などです。デメリットは、会社との関係の悪化や再解雇のリスク、訴訟になる場合は時間や費用がかかることなどです。
参考|弁護士 西川 暢春 – 弁護士法人 咲くやこの花法律事務所
まずは弁護士とのつながりを持とう
さて、まずはどうやって弁護士とつながりを持つかというのが問題になると思います。
その場合に2つの候補があります
- 法テラス
- 日本労働弁護団
まず法律、裁判関係で覚えておきたいのがこの法テラスです。
法テラスでは、労使関係の問題だけでなく、さまざまな法律相談を行っています。
もし残業代請求だけでなく、将来的に法律関係で相談したいことがあったら利用することがあるかもしれませんので、覚えておいて損はないです。
また、法テラスを利用するメリットの一つが、資産が少ない人でも訴訟を行うことができるという点です。
まだ入社したばかりで貯金がなかったり、何らかの理由で金銭的な不安を抱えている場合、通常の訴訟費用よりも少ない金額で訴訟を行うことができます。
私は最初に法テラスに相談しましたが、労使関係の問題の場合は次にあげる「日本労働弁護団」を紹介されました。
労使関係の問題ならここということで紹介されたのがこの日本労働弁護団です。
ここのホットラインからは日本各地にある弁護士事務所の担当者と直接つながることができます。
また、残業代請求だけでなく、セクハラ・パワハラ等の訴訟にも強い弁護士が担当してくれます。
注意すべき点は各地域によってつながる曜日が異なる点です。ホームページで内容をよく確認してから連絡してみましょう。
証拠書類をそろえよう
ここまでの方法で弁護士と連絡が取れたら、直接会って状況の説明を行うことになります。
その際、残業代請求に必要な資料を持っていきましょう。
さて、手元に資料の準備がそろい、実際に弁護士と連絡を取った後は、連絡先の弁護士事務所に行くことになると思います。相談料がかかる場合もあるので、事前に電話で確認してみたほうが良いでしょう。
私の場合は無料でしたが、弁護士事務所によっても方針は違うのでよく確認しておきましょう。
まずは弁護士から状況についての確認があるので、集めた資料をもとに状況を説明しましょう。
弁護士は複数から選ぼう
当日に回答ではなく、資料のコピーを渡して担当弁護士が内容を調査することになると思いますが、複数の弁護士に相談してみることを強くオススメします。
そのため、即決するのではなく、いくつか回ってみた後に自分が良いと思った弁護士に依頼するのが良いと思います。
日本労働弁護団でつながる弁護士は日によって変わるので、そこで複数の弁護士とアポを取り話を聞いてみるのが良いでしょう。
というのも、一口に弁護士といってもさまざまな人がいるので、自分と合う合わないの問題や、レスポンスが悪いなど対応の悪い弁護士に担当してもらうと余計なストレスを抱えることになるからです。
担当弁護士が決まったら
担当弁護士が決まったら、弁護士側で渡した証拠書類をもとに残業代の計算を行ってくれます。
後日計算内容の確認のメールが届くと思うので、確認し問題なければその旨を弁護士に回答しましょう(ちなみに弁護士費用は合計で請求額の20%程度を考えておくと良いと思います)。
そして、弁護士から会社に「内容証明」が送付されます。
この手続きによって法的に残業代請求の手続きが完了したことになります。
あとは弁護士があなたの代理人となり、会社側との交渉を進めてくれます。場合によっては裁判になることもありますが、大抵の場合は「和解」という形で終了します。
企業側も裁判になった場合の費用や、社会的評価の低下のリスクがあるため和解を選ぶケースが多いとのことでした(弁護士談)。
私の場合も最終的には和解という形で解決しました。
気になる残業代の回収額ですが、聞いた話によると現実的には請求額の8割を会社が支払えば御の字とのことです。
とはいえ、状況や弁護士の手腕によるところもあると思いますので、弁護士とのコミュニケーションはしっかり取っておくことにしましょう。
そして期間ですが、私の場合は日本労働弁護団に連絡をしてから約半年かかりました。
裁判になった場合はもっと時間がかかることになりますので、時間と金額を考え、自分にとって最適な方法を取るようにしましょう。
まとめ
残業代請求で会社を訴える流れは以下のようになります。
こんな流れになります。
実際に訴えることはなくても、知っておいて損はないので覚えておくと良いでしょう。
以上、皆さんの参考になれば幸いです。
それでは