大企業で働くと安心?ブラック企業に気付かないで損する人の特徴と対策

大企業で働くと安心だと思っている人は多いでしょう。大企業なら給料も安定しているし、福利厚生も充実しているし、ブランド力もあるから転職もしやすいと考えているかもしれません。

しかし、実際にはそんなに甘くありません。大企業でもブラック企業は存在します。ブラック企業とは、従業員の労働環境や人権を無視したり、違法な労働慣行を行ったりする企業のことです。この記事では、大企業でもブラック企業が存在することや、その実態や影響を具体的な事例やデータで示します。

また、ブラック企業に気付かないで損する人の特徴や心理を分析し、自分がその状況に陥っていないかチェックする方法を紹介します。さらに、ブラック企業から抜け出すためや、将来的なキャリアプランを考えるために必要なスキルや知識、情報源などを紹介します。

大企業や上場企業だから安心ではない

職場を選ぶ時の判断基準の一つに、大企業かどうか、上場企業かどうか判断される方もいると思います。

気持ちはわかりますが、結論を言います。

全く関係ありません

もっと言うと、優良企業やホワイト企業と呼ばれる企業でも、職場や上司によってはブラックになり得ます。

つまり身も蓋もない言い方をしてしまいます

入ってみなければわかりません

残念ですが。

残業代を支払わない大企業

残業代を払わない大企業

よくブラック企業ではサービス残業が横行しているという話を聞くと思いますが、大企業も同じですので注意しましょう。

私が経験した話をすると、「残業代が支給される上限は40時間まで」と決められており、それ以上になると上司が指導を受けるため、上司が指導を受けないように40時間以上の残業時間は承認されないという事実があります。実際には毎月その倍近くの残業をしていたにもかかわらずです。

それだけでなく名ばかり管理職が大量に存在し、職場は管理職だらけでした。

もちろん彼らには残業代なんて支払われません。残業代を支払わないために役職者という肩書きをつけることで、残業代を抑えることと、労働基準法上の時間外労働の管理対象から外すことを目的として役職を与えるのです。

そのため、連日連夜どれだけ働こうが残業代も支払われず、残業時間の管理もされず、体調を崩して休職したり、退職する人は常に出ている状況でした。

ですが会社側は問題視しません。その人の代わりを何処かから連れて来ればいいのですから。

新入社員の時から役職者は残業代は出ない」「残業代を出せる時間には上限があると教え込むことにより、それを普通なのだと刷り込むのです。

そして疑問を持とうものなら、

みんな我慢しているから

甘ったれるな

従業員側が若手に対して、勝手に教え込んでくれるのですから企業としては楽なものです。

ちなみに私がいた企業は、周りからは「ホワイト企業」と言われていました。もちろんそう言う職場もありましたが、多くの職場はそうではありませんでした。

私も「そうではない職場」に配属され勤務してきた経験があるのでよくわかるのです。

では中小やベンチャーはどうなのか?というとこれらの企業は大企業のモデルの真似をしてシステムを構築します。

そのため、大企業が「役職者は管理監督者」「サービス残業を強制することができる」というモデルを作成しているため、その真似をして給与の支払基準を設定します。

結局こういう考え方の根幹にあるのは「人件費はコスト」と言う考え方が根付いているからだと言えます。

その状態で従業員に対して生産性創造性を求めているのですから何とも都合の良い考え方をしているものだと思います。

従業員をコストとしてしか考えられない企業からは「生産性の向上」も「創造性」も生まれることはないでしょう。

みなさんは入った企業に対して「自分の目で見て、体験したこと」を意識して「感じた違和感を大切にしておくこと」が重要な事であると覚えておきましょう。

ホワイト企業でもブラック職場がある!転職前に知っておきたい過酷な労働環境と脱出方法

有名な電通事件

大企業でもブラック企業は存在します。その代表的な例が電通です。電通では2016年に新入社員である高橋まつりさん(当時24歳)が月に100時間を超える残業を慢性的に行っており、これが彼女が自殺する原因になったというものです。月に100時間の残業という計算をしますと、月に20日働いたとして5時間残業していた計算になりますので、1日に平均して13時間近く働いていたことになります。拘束時間を含めるとさらに多くの時間を費やしていたことになるでしょう。

事件をきっかけに過労死対策の法律が制定

この事件は社会問題化しましたが、電通だけではありません。厚生労働省が公表した「過重労働等改善計画策定・届出事案」(2020年度版)では、「過重労働等改善計画」(過労死等防止対策推進法第10条第1項)の届出件数は全国で4,120件ありました。

届出件数

「過重労働等改善計画」は、「過労死等防止対策推進法」(2014年施行)で定められた制度で、「一定以上の長時間労働者数」(月80時間以上または年720時間以上)または「一定以上の長時間労働者率」(全従業員数の10%以上)があった場合、「長時間労働者数及び長時間労働者率」を減少させる目標値及び目標期間を定めた「過重労働等改善計画」を策定し、厚生労働大臣に届け出ることが義務付けられています。

過重労働の届出には有名企業の数々

この届出件数の中には、大企業の名前も多く見られます。例えば、三菱電機、日立製作所、東芝、富士通、パナソニックなどです。これらの企業は長時間労働が常態化しており、従業員の健康や生活に深刻な影響を及ぼしています。

また、ブラック企業は長時間労働だけではありません。パワハラやセクハラなどの人権侵害や、不当な解雇や減給などの不利益処分もあります。ブラック企業は従業員に対して過酷な環境を強いるだけでなく、社会的責任も果たしていません。

大企業や有名企業は安全地帯ではない

ブラック企業に気付かずに損する人の特徴や心理とは何でしょうか?一般的には以下のような傾向があります。

自分がブラック企業で働いていると認めたくない人

自分が選んだ会社がブラック企業だということを受け入れることができず、自己正当化や他者責任に走ります。例えば、「自分は頑張っているから残業するのは当然だ」「上司は厳しいけどそれは成長させてくれるからだ」「他の会社も同じような状況だろう」と思っています。

自分がブラック企業で働く価値があると思っている人

自分がブラック企業で働くことに何らかのメリットを見出しています。例えば、「大手企業であれば将来的に転職しやすいだろう」「給料や福利厚生が良いから我慢する価値がある」「仕事内容や役職が自分に合っているから辞められない」と思っています。

自分以外の人に配慮しすぎる人

自分の気持ちや欲求よりも他人の期待や要求を優先します。例えば、「家族や友人に迷惑をかけたくないから辞められない」「同僚や部下を見捨てたくないから残らなきゃいけない」「上司や取引先に失礼だと思われたくないから断れない」と思っています。

ブラック企業から抜け出すために必要なこと

ブラック企業から抜け出すためや将来的なキャリアプランを考えるために必要なスキルや知識、情報源とは何でしょうか?

現状を客観的に把握する

まず、ブラック企業から抜け出すためには、自分の現状を客観的に把握することが重要です。自分がどれだけ長時間労働をしているか、どれだけストレスを感じているか、どれだけ健康や生活に支障が出ているかなどを記録してみましょう。また、自分の権利や労働法に関する知識も必要です。自分が受けている扱いが違法である場合は、労働基準監督署弁護士などの専門家に相談しましょう。そして、ブラック企業から脱出するための具体的な行動計画を立てましょう。例えば、「残業時間を減らす」「休日や有給休暇を取る」「転職活動を始める」「退職届を提出する」などです。このとき、自分の目標や理想の働き方も明確にしておきましょう。

キャリアプランを描く

次に、将来的なキャリアプランを考えるためには、自分の強みや興味・関心・価値観などを見つめ直すことが大切です。自分が何が得意で何が好きで何が大切だと思っているかを知ることで、自分に合った仕事や職場環境を探すことができます。また、市場動向や業界情報なども把握しておくことが必要です。自分の希望する仕事や職場は需要があるのか?競争力はあるのか?将来性はあるのか?などを調べておきましょう。

さらに、キャリア形成に役立つスキルや資格も身につけておくことが望ましいです。例えば、「コミュニケーションスキル」「プレゼンテーションスキル」「英語力」「ITスキル」などです。これらのスキルや資格はオンラインで学ぶことも可能です。

やりたい仕事ができる人は一握り

やりたいことが完全に決まっているならば、その道に進むのが一番良いと思いますが、希望する業界に入ったとしてもやりたい仕事ができるかどうかはわかりません。

人員のバランスを取るために希望しない部署に回されたり、全然別の部署で退職者が出たために、急遽その部署に異動になるなんてことはザラです。

最初に入った部署の人間関係が自分に合っていたとしても、次に異動した先の人間関係は良くなかったなんてこともあり得ます。

それだけでなく、タイムカードを先に押させられたりしてサービス残業を強要されることすらあります(もちろん違法なのでちゃんと記録を取り、後ほど請求しましょう)

やりたいことをやるためにやりたくない仕事で実績を残す

目的意識が必要

会社に入った後の周りの環境や人は自分ではコントロールすることはできません。

そのため、自分が担当する業務や役割を全うすることで何を得ることができるのか、市場価値とどのようにつながっていくのか。最終的に将来なりたい自分や身につけたいスキルにどのように自分でつなげていくかが重要と言うことになります。

キャリアは業務をしている年数ではなく、明確な目的意識をもって業務を行っているかどうかで市場価値は大きく変わってきます。

転職をするにしても、社内異動にしても、自分が希望する職場に行くためには何らかの実績が必要になります。

逆の立場に立って考えてみればわかると思いますが、募集する側も優秀な人間に来てほしいと考えているからです。

全く自分の価値観と合わなかったり、自分の時間と労力を無駄に消耗する職場だと判断した場合は、退職して転職することも一つの選択肢としてありだと思います。

先輩や上司の言動をよく観察し、将来の自分をイメージして見ましょう。

勤続年数だけではキャリアにならない

勤務年数だけ積み重ねても意味がない

ゴルフ暦10年の人3年人なら

どちらが上手いか?

こう聞かれたらどのように答えるでしょうか?

歴が長い10年の方でしょうか?

答えは「わからない」です。

なぜならその10年と3年の中身がわからないからです。

1回コースを回ることを10年間続けている人と、3年間毎日毎晩練習している人だったら、圧倒的に後者の方が経験も能力も上でしょう。

キャリアを作るということは同じ業務を繰り返すということではなく、問題を発見し、課題を作り、それを解決していくというサイクルを作り出すことにあるのです。

内省や省察なしに学習や成長はありえない。「20年の経験を積んだと自慢する人がよくいるが、実際には1年分の経験を20回繰り返してきたに過ぎない」

ーカリフォルニア大学デービス校 アンディ・ハーガドンー

自分の価値観で企業選びをしよう

将来の自分を思い描いた時に、その会社のポジションや給与ではなく、どんなスキルを構築し、何を生み出せるようになる環境なのかをしっかりと吟味することが転職で成功するカギとなるのだと思います。

自分の価値観を明確にしよう

そこで大事になってくるのが自分の価値観です。

重要な価値観リスト

自分の価値観をリスト化しておくことによって、重要な決断をするときや迷った時の判断軸として思い出せるようにしましょう。周囲の声や目の前の条件でブレることがなくなります。

  • やりたいことが明確な人は実現するために必要なスキル、実績を身につける。
  • やりたいことがわからない人はまず、「どうしてもやりたくないこと、許せないこと」を基準に考えていきましょう。
  • それを経験と照らし合わせ、残ったものが「やってみてもいいこと」です。
  • そのやってみてもいいことから徐々に範囲を広げ、「本当にやりたいこと」を見つけましょう。それがあなたの価値観を実現するための仕事です。

私はその部分の考え方が抜けていたと思います。

大手企業だから

安定しているから

給与・待遇がいいから

これらは全て、最終的に自分でコントロールできない部分です。

なにを成し遂げたかが大事

大企業に勤めても安定でもすごくもない

大企業に勤めていると、入社の難易度の高さや扱う案件の大きさによって自分の力を勘違いしてしまうことがあります。

ですが忘れてはいけません。

  • 大手企業であることは過去の積み重ねの結果としてであって、自分の力で大きくしたわけではありません。
  • 安定しているのは今だからであって、将来も安定し続けられる保証はありません。いつ社会の流れが変わって崖っぷちに立たされるかわかりません。
  • 給与・待遇も同様です。前の会社よりも給与が良いからといって、自分の身を削る価値はないでしょうし、待遇も状況によって大きく変わってしまいます。

その企業で自分が何を成し遂げたのか?自分は何を残すことができたのか?これが自信を持って話すことができなければ大企業という看板に寄りかかっていることから抜け出すことができなくなるでしょう。

結局のところ、求人内容が良い企業を探す、と言う考え方自体が間違っているのだと思います。

自分の裁量権を尊重し、試行錯誤を許してくれる職場でなければ、結局は実績もキャリアも積み重ねることができないのです。

どの企業に入るかではなく、どんな仕事をするか

自分の将来設計をしっかりと行い、どの企業に入るのかではなく、どんな仕事をするのか、そしてそれによって何を得てどんな人生を送っていきたいのかを考えることが重要なのだと思います。

体を壊した今、なおさらそう思います。

自分自身の価値観を知ろう

もちろん人それぞれ価値観はありますし、外部環境そのものに価値を見出す人もいるでしょう。

そういった考え方を否定するつもりはありません。

ですがどこかで自分自身の真の欲求と向き合わなければならない時が来ると思います。

その時に、今自分が立っている場所にたいして、自信を持つことができるかどうか。

自分自身の成長や環境の変化によって、目指す方向性や価値観は変わっていくものです。自分の内側から湧き出る興味や欲求を抑えつける必要はありません。

仕事は組織目標のために成果を出す場ではありますが、同時に自分自身にとって壮大な実験場でもあります。ある意味では、レールを外れて行動した試行錯誤こそ、自分自身のやりたいことや将来についての方向性を決めるのではないでしょうか。

これから入ろうとしている企業にそれを実現できる環境があるのかが大事なのだと思います。

抽象的な答えしか出すことはできませんが、本当の答えは皆さんの価値観にあります。

まとめ

大企業だからというのは安心感の一つではあります。

ですが、それは先人たちが積み上げてきた成果の結晶であり、過去のものでしかありません。それが社員の能力を上げるものでも、その人の立場を守るものでもありません。

重要なことは一生同じ会社と添い遂げる人も、キャリアによって環境を変えていく人も、自分で事業を起こす人も、それぞれの価値観に基づく行動をとることだと思います。

そして価値観は経験によって変わっていくものです。変化に対応できるような準備は常にしておくようにしましょう。

大企業でもブラック企業は存在します。ブラック企業は従業員の健康や生活に深刻な影響を及ぼします。ブラック企業に気付かずに損する人は多くいます。

ブラック企業から抜け出すためや将来的なキャリアプランを考えるためには、自分の現状や目標を明確にし、必要なスキルや知識を身につけることが重要です。ブラック企業にとらわれず、自分らしく働くことができるようになりましょう。


以上、この記事がみなさんのお役に立てれば嬉しいです。

皆さんの将来が満足のいくものであることを願っています。

それでは

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