今回は残業代請求中に弁護士同士がどのような会話をしているのかをご紹介したいと思います。
実際には私もみたことはありません。
基本的に弁護士に依頼した後は、企業の弁護士と直接交渉するので、依頼人である私は結果しか聞いていませんでした。
そんな中、どうしても気になったので交渉内容をできるだけ詳細に、「リアル感のある感じで」と、お願いして教えてもらったのが今回紹介する内容です。
目次
弁護士に依頼してわかる力の強さ
毎月多くの残業をしているにもかかわらず、残業代が支払われていないと感じていませんか? 残業代は、労働者の権利として法律で保障されています。しかし、会社はさまざまな理由で残業代を支払わないことがあります。 そんなとき、どうすれば残業代を回収できるのでしょうか? 自分で行うこともできますし、労働基準監督署に依頼することもできます。ですが名ばかり管理職で残業代請求をするなら、弁護士に依頼することが一番効果的です。 弁護士は、会社と交渉する際に必要な法律知識やノウハウ、強力な権限を持っています。また、弁護士が介入することで、会社も真剣に対応せざるを得ません。 この記事では、弁護士が実際に行った残業代請求の交渉事例を紹介します。会社の言い分や反撃にどう対処すべきか、弁護士のノウハウを学びましょう。
残業代請求をする場合、役職ごとで難易度が変わってきます。私の場合、労働基準監督署の指導に至らなかったのは「管理監督者性を否定する材料」が不足していたことであるため、一般社員の場合は労働基準監督署でも十分回収に至ると思います。もちろん証拠が多い方が有利になりますので証拠は普段から集める習慣をつけておきましょう。
- 部長クラス|弁護士
- 課長クラス|弁護士
- 係長クラス|弁護士 or 労働基準監督署
- 役職なし|労働基準監督署
- 一般社員|労働基準監督署
- 派遣社員|労働基準監督署
あらすじ
ブラック企業に入社した不忍。日常的な長時間労働や上司からのパワハラに倒れ、休職期間を経ても体調が回復せずに退職。その後、待遇に対して不満を持っていた不忍は「名ばかり管理職」での未払い残業代請求を行うことを決意。自分で直接残業代請求を行ったものの会社側は拒否。次に労働基準監督署に依頼し「この内容であれば名ばかり管理職で間違いないと思います」と心強い言葉をもらうも、「証拠資料だけでは決め手にかける」として行政指導を断念。途方に暮れていたところ、【日本労働弁護団】で弁護士を紹介してもらい、早速連絡。弁護士とのつながりを持ち、手持ちの資料で十分「名ばかり管理職の証明は可能で残業代を回収できます」と力強い回答をもらい、早速依頼。弁護士から会社に内容証明を送り、会社から示談のための面談日程を提示される。今回はその示談交渉における面談の記録である。
交渉内容公開
それでは早速、弁護士は交渉の席でどんな会話をしているのか見てみましょう。
会社:そうですね。ですので、労災の件は労基署に委ねることにします。 では、もともとのとおり残業代について和解ができないかという議論に絞らせていただきたいと思います。 不忍さん側から、約〇〇万円の残業代が請求されておりますが、会社としては管理監督者に該当するという見解をもっておりますし、労基署もそのように一応判断しているものと認識しています。 とはいえ、双方弁護士も入っていることもありますので、会社としては一定解決金を支払いたいと思っております。 端的に金額としては、半分の金額、ですので大雑把に〇〇万円くらいということでいかがでしょうか。
会社:9割ですか。それは・・・(苦笑)。さすがに会社の中でも早期解決のための解決金として承諾を得る必要がありますし、遅延損害金も含めた9割という金額はほぼ全額に近いですので、難しいです。
会社:8割ですか・・。かなりの水準ですので、今直ぐに判断できませんが、持ち帰って検討させてください。大丈夫であれば、来週までにはお返事させてもらいます。
会社:それは仕方ないですから、それで結構です。会社からも1点要望がありますが、仮に和解がまとまる場合、金額を支払う名目としては、「未払い賃金」とかではなく、「退職金」という名目でもよろしいでしょうか。
交渉内容のポイント
思ったよりも淡々としているというのが印象ではないでしょうか?
いくつかポイントがありましたので整理してみましょう。
- こちらが弁護士を立てたことで会社側は譲歩の姿勢を示す。
- ただし金額は少なく抑えたい。
- そのため、おそらくダメ元で半額という金額を提示している。
- 弁護士は最低ラインを8割と設定しこれ以上は譲歩できないと意思を示す。
- 会社側は裁判にはしたくないのでギリギリのラインでの交渉を図る。
- 合意に至った場合、労災の件で縛りを受けないように釘を刺す。
- 会社は支払うことはみとめるが、残業代の未払いは印象が悪いので、退職金扱いにしたいとの意思を示す。
こんな感じですね。
特に労災申請をしている時の清算条項に、労災については後日請求しないと書かれてしまうと、休業損害を後日請求できなくなってしまうので注意が必要です。
もちろん弁護士もプロなので、そこを見落とすことはないとは思いますが、合意書の確認を最終的に本人に確認依頼が来るので、そこで気になる点がないかはっきりさせておきましょう。
まとめ
以上、残業代請求で会社と交渉した内容を弁護士に再現したもらった内容をご紹介しました。弁護士の方が強気で交渉している状況がみて取れると思います。もちろん、交渉が上手くいかない場合は、複数回の交渉や訴訟に発展することもあります。ですが会社は訴訟を嫌がるので和解案を提示することが多いです。
以上、参考にしていただけると幸いです
それでは