労基署はあてにするな?実際に労基署に訴えてみた(名ばかり管理職の残業代請求体験談)

名ばかり管理職の件で労働基準監督署に訴えた体験をお話しします。

結果を先に言います。

労働基準監督署の調査には法的強制力がないため、踏み込んだ調査(資料の請求を強制して調査をするなど)ができない。

証拠自体はあるが、明確な根拠となるまでの資料がなかった。

結果として行政指導には至らず、調査は終了せざるを得ない。

との回答でした。

最初に労働基準監督署に証拠を提出した時には、

これだけ証拠があれば大丈夫だと思います。実際、管理監督者の定義に該当する人は少ないですからね

と言う意見だったので期待をしていましたが、残念な結果となりました。

では労働基準監督署への手続きはどのように進めたかについて、説明していきます。

未払い残業代ではなくあなたへの借金

このブログをご覧になっているということは、これから訴えようとしているか、訴えようか迷っている方でしょう。

迷うことはありません。「未払い残業代請求」というと、わざわざこちらから主張する「権利」のように聞こえてしまいますが、正確にいうなら「企業のあなたに対する借金」なのです。

残業代の未払いということは、すでにあなたは会社に対して労働力を提供しているのですから、会社はその対価=お金を支払わなければなりません。

借金の返済は義務です。

言い換えると、「お金を貸した相手に返済を求めている」のです。

しかもその金額は数百万円、多い人なら1千万円を超える場合もあるでしょう。

これだけの金額のお金を踏み倒されたらどうしますか?訴えますよね?

あなたがやろうとしているのはこの踏み倒しを狙っている相手に返済を求めているだけなのです。

何もおかしなことはしていません。その状態を放置している方がおかしいのです。

迷わず「貸したお金」を返してもらいましょう!

証拠品を集める

証拠品は以下のものを集めました。

私の場合は退職後に残業代請求をしましたが、在職中にこの会社がブラックだと言うことはわかっていたので、万が一のために準備していました。

  • 雇用契約書
  • 勤怠記録のコピー
  • 給与明細
  • 就業規則
  • 賃金規定

コピーするのは大変でしたが、これで労働基準監督署へ行く準備ができました。

証拠品を持って労働基準監督署に行く

さあ、証拠品がそろったので、いよいよ労働基準監督署へ行きます。

労働基準監督署は会社のある地域を管轄しているところに行く必要がありますので、事前に調べておきましょう。

厚生労働省ー労働基準監督署の所在案内

管轄の労働基準監督署がわかったら、資料を持って直接いきます。

注意

※開いているのは平日の日中( 8:30 ~ 17:15 )しかないので、在職中の方は注意しましょう。有給を取れれば有給を使い、難しければ病欠なり通院してから行くなり、理由をつけて行くのが良いでしょう。相談時間は大体1時間ちょっとくらいを目安にすれば良いと思います。

受付で「名ばかり管理職の残業代請求の件で相談に来ました」と言えば担当者に取り次いでくれます。

係長以下の方でしたら、「未払い残業代請求の件」と言えば伝わると思います。

証拠品を担当者に提出する

担当の方が来て相談席に通されます。

持ってきた証拠書類を担当者に渡しましょう。

その際、担当者がコピーをとってくれますので、頑張ってコピーを取る必要はありません(笑)

最初にアンケート用紙を渡されますので、コピーをとっている間に記入しましょう。

ここでは「匿名」か「実名」かを記入する欄がありますので、ご自分の状況に合わせて記入しましょう。

匿名か実名か

残業代を回収したいのなら「実名」一択です。

これは労基署の方の話でもありますが、「匿名の場合は名前がわからないように総合的に調査をしなければならないので、時間的な制約もあり、確実性は下がる。そのため、実名の方が特定人物の資料調査に注力することができるため、指導する側も調査しやすい」とのことなので、「実名」で訴えましょう。

ただ、同じ会社で働き続けたい場合は「匿名」でもいいと思いますが、残業代を出さないような会社からは転職することをオススメします。

労基署の指導は強制力があるわけではないので、すぐに改善するとは限りませんし、組織文化や人の考えは簡単には変わりません

最終的な判断はお任せしますが、世の中には他にもたくさん会社があるということと、自分自身を守ることができるのは自分だけということを覚えておきましょう

アンケート用紙に不明点があれば空欄で構いません。後で担当者に確認しましょう。

担当者と面談を行う

まずは証拠書類の説明をします。

次に担当者からいくつか質問があるのでそれに答えます。

その際、疑問点は担当者に質問をして聞いておくのが良いでしょう。

退職済みの方は難しいと思いますが、在職中の方は追加で証拠品が必要な場合は改めて準備しておく資料について要求があるかもしれません。

担当者が事実確認のために企業に聞き取りを行う

ここからはあなたがやることは特にありません。

労働基準監督署の調査担当の方が会社に対して調査を行います。

複数回企業と話をし、事実確認を行う

何度か調査担当が企業に行き、聞き取り調査を行います。

ここでもこちらでやることは何もありません。

ただ1ヶ月くらい期間が空くので、気になる方は進捗を確認するのも良いでしょう。

結果、手持ちの証拠品のみでは指導に至らず

結果として、何度か企業へ調査を行なったものの、決め手に欠いたため行政指導には至らなかったと言う結果になりました。

調査終了報告

そして調査報告結果の連絡がありました。

名ばかり管理職であることは明らかだが、行政機関として強制力がないため、指導には至らなかった、悔しいがこれで調査を終了せざるを得ない

と言う回答でした。

ある程度期待をしていたので残念な結果となりましたが、次の手段として弁護士を利用すると言うのはわかっていたのでそれほどショックではありませんでした。

まとめ

労働基準監督署の担当者が言っていたように、調査には法的強制力がないため、踏み込んだ調査(資料の強制調査など)ができないということでした。

また、行政指導をしたとしても、従うかどうかは企業の任意のため、支払うことを強制することができない(行政の限界)との回答でした。

そして証拠品として足りなかったのが、上司からの指示メールや指示を受けた記録(メモ)でした(もちろん録音でも構いません)

この辺の話は【内部リンク】証拠を集めろ!上司からの指示メール!(名ばかり管理職編)でもお話ししていますので、興味がある方は読んでみてください。

そのため改めて必要な証拠品を整理すると以下のようになります。

  • 雇用契約書
  • 勤怠記録のコピー
  • 給与明細
  • 就業規則
  • 賃金規定
  • 上司からの指示メール(指示のあった記録、メモや録音など)

これだけあれば、労働基準監督署でもなんとかなるかもしれません。

ただ、スムーズな解決を望むなら、最初から弁護士に依頼したほうが解決までの時間を短縮できるとおもいます。

役職なしの場合はどうするの?

名ばかり管理職ではなく、役職なしの方のサービス残業代の請求なら労働基準監督署でも良いと思います。もちろん弁護士の方が確実なのはいうまでもありませんが。

ここまでの証拠を準備する必要がないと言うのもありますし、法的強制力を持つと言うのはやはり強力な武器です。

実際それまで猛烈に抵抗していた会社側が、弁護士を立てた途端に和解に動き出したので、効果は大きいと思います。

このブログでは万が一に備えて、自分を守るために日頃から準備しておくべき7ヶ条を設定していますのでご紹介します。

仕事をするときの7つの鉄則!

どんな職場でも万が一のために以下ができるようにしておくこと!

①|出退勤のメモを取る1分単位・休憩時間の業務含む)

②|上司の指示・発言内容のメモを取る(指示メールは保存しておくこと)

③|連続勤務日数の記録(連続12日以上ある場合は注意!)

④|給与明細は書類で手元に用意しておく

⑤|雇用契約書はすぐに用意できるようにしておく

⑥|管理職は組織図を手元に持っておく

⑦|トラブル時の弁護士は【 日本労働弁護団 】へ連絡する

メモとしているのは、企業によって荷物の持ち込み禁止の場所があるからです。

それを悪用し、セクハラ・パワハラなどのハラスメント行為や、長時間労働などが常態化している職場があります。

自分の身を守り、のちのち、泣き寝入りせずに反撃できるような資料は用意してくことが大事です。

最後に時系列を整理すると下記の通りです。

STEP1
証拠書類をそろえる
①|雇用契約書②|勤怠記録③|給与明細④就業規則⑤賃金規定⑥上司からの指示メール(管理職のみ)
STEP2
労働基準監督署へ行く
管轄の労働基準監督署がわかったら、資料を持って直接いく(8:30〜17:15)
STEP3
面談をおこなう
担当者に証拠書類を渡し、面談をおこなう
STEP4
企業へ聞き取り調査
監督官が企業へ調査をおこなう
STEP5
調査結果報告
労働基準監督署の調査が完了し結果が方奥される。企業に払い意思があれば完了。企業が拒否した場合は弁護士に依頼する

労基署だけでなく、総合的な残業代請求をまとめたフローを記事にしていますので、全体像を把握したい方は参考にしてください。

【名ばかり管理職】実際に行った残業代請求の体験を公開します!(フロー編)【体験談】

【名ばかり管理職】実際に行った残業代請求の体験を公開します!(フロー編)

【全体の流れ】残業代請求の手続きフローまとめ【証拠集め〜裁判まで】

残業代請求の手続きフローまとめ【証拠集め〜裁判まで】

名ばかり管理職なら労基署よりも弁護士だ!(残業代請求体験談)

名ばかり管理職なら労基署よりも弁護士だ!(残業代請求体験談)

以上、名ばかり管理職での残業代請求を労働基準監督署に依頼した流れと結果です。

これから労働基準監督署に訴えようと思っている方の参考になれば幸いです。

それでは

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