労災認定されたらどうすればいい?手続きの流れと注意点

さて、いよいよ労災が認定されました。

その場合、どのような手続きが必要になるのでしょうか。

労災の管轄は労働基準監督署なので、基本的なやりとりは労働基準監督署に必要な様式を提出するだけで問題ありません。

ただし傷病手当金をすでにもらっている方は少し複雑です。

ここでは最初から労災申請をして認定された場合と、最初は傷病手当金をもらっていて、途中から労災申請をして認定された場合の2つのケースについてみていきましょう。

目次

労災認定とは?

労災認定

労働者が業務中や通勤中に事故や病気に遭った場合、その原因が業務上であることが認められれば、労働基準監督署長から「労働災害」として認定されます。これを「労災認定」と呼びます。

補償が受けられる

労災認定を受けることで、ケガや病気の治療費や休業補償など、一定程度の経済的な補償を受けることができます。また、重度の障害や死亡などの場合は、障害年金や遺族年金なども支給されます。

補償を受けるには手続きが必要

しかし、労災認定は自動的に行われるものではありません。事故や病気が発生した場合は、速やかに申請する必要があります。申請方法や期限などは後述します。

最初から労災申請をしている場合

労災申請中の手続き

一般的な手順
STEP1
診察料

すでに病院やクリニックの診察料は全額負担している

STEP2
薬代

薬代も全額負担している

STEP3
負担額

病院や薬局に対しては全額負担している

STEP4
労災して以外病院の場合

労災指定外の病院や薬局の場合、様式を提出して記載してもらう

STEP5
様式を労働基準監督署に提出

病院・薬局に記載してもらった様式を労働基準監督署に提出する

STEP6
金額が振り込まれる

労働基準監督署が様式をもとに指定口座に振り込む

これがオーソドックスなやり方です。始めから労災申請をするときには保険適用をしないため、医療費、薬代共に全額自己負担で支払います。

ただ、長期にわたると見込まれる場合は金銭的な負担が大きいため、生活資金を確保しているということが前提となります。

すでに病院やクリニックの診察料は全額負担している

先ほども書いた通り、原則的に労災申請を行う場合は、保険組合や国民健康保険の使用ができません。

そのため、医療費は全額自己負担となりますので注意してください。
※通常は3割が自己負担金額です。

薬代も全額負担している

医療費同様、処方される薬に関しても全額自己負担です。

そのため、病院や薬局に対しては全額負担は変わらない

労災の申請条件の一つに、保険組合や国民健康保険を利用せずに全額自己負担をすることが条件としてありますので、医療費と薬代は10割支払います。

最初は金額の高さに驚くと思いますので、現金を多めに用意しておきましょう。
※私の場合は医療費と薬代合わせて1回1万円くらい必要でした。

最初から全額自己負担をしているので労災認定された後も手続きは変わりません。

労災指定外の病院や薬局の場合、様式を提出して記載してもらう

これは通院している病院や薬局が

 

労災指定

 

かどうかで変わります。

労災指定の医療機関については厚生労働省のサイトを利用して、近くにないかを検索してみましょう。

もし通院・入院している医療機関が労災指定の場合は、最初の1回だけ様式の提出が必要となりますが、あとは医療機関が直接労働基準監督署に費用を請求するため、当日の支払いはありません」。

これは正直嬉しいですね。毎回書類を出して労働基準監督署に郵送するのは面倒ですから。

次は、休業補償を受給するための手続きです。

病院・薬局に記載してもらった様式を労働基準監督署に提出する

労働基準監督署には以下の書類の提出が必要です。

  • 様式5号(労災指定薬局の場合は最初の1回だけです) 薬局に提出して項目に記載してもらいましょう。
  • 様式7号(労災指定病院の場合は最初の1回だけです) 病院に提出して項目に記載してもらいましょう。
    書いてもらうのに、だいたい1〜2週間かかります
    受け取り時に、別途書類代が必要になりますので注意しましょう。
  • 様式8号(休業補償を受け取るための書類。毎回必要となります)
    生活の基盤となる重要な書類です。期間ごとに提出が必要となります。
    様式を病院に提出してからこれも1〜2週間かかります
    受け取り時に、別途書類代が必要になりますので注意しましょう。

労働基準監督署が様式をもとに指定口座に振り込む

医療機関から受け取った書類と、領収書・レセプト(点数が書いてある書類)をセットにして、労働基準監督署の担当の方に送付しましょう。

だいたい2週間くらいで指定口座に金額が入金されます。

のちに、支給決定通知書というハガキも届きますので、内容を確認しておきましょう(確認用の書類なので特に何かに必要というわけではありません)

以上が、最初から労災申請を行っている人の手続きとなります。

お疲れ様でした。

最初は傷病手当金で処理し、途中から労災申請を行い認定された場合

こっちは結構複雑です。というか裏ワザです

ちなみに私はこちらの方法を取りました。金銭面での負担はかなり楽になる方法ですので、これから労災申請を考えいてる方は検討してみてはいかがでしょうか。

裏ワザの手順
STEP1
診察料・薬代
傷病手当金を受け取っている場合で、医療費を3割負担で処理している。

STEP2
保険組合負担分を返還
在職中なら保険組合、退職後なら国民健康保険(役所)に負担してもらっている7割分の費用の返還を行う(労災の補償金を受け取った後で良い)。( 労災指定病院を利用している場合は ≫ 3-1労災指定外の病院を利用している場合は ≫ 3-2

STEP3-1
労災指定病院を利用している場合
労災指定病院の場合は様式を提出すれば、病院・薬局が労働基準監督署に直接費用を請求するため、当日の支払いはなくなる

STEP3-2
労災指定外病院を利用している場合
労災指定外の病院を利用している場合は全額自己負担で支払い、後日様式を病院で書いてもらい、領収書・レセプトと合わせて労働基準監督署に提出する。

STEP4
労働基準監督署から口座に振り込み
労働基準監督署から提出された資料をもとに、指定口座に休業補償金と全額自己負担している3-2の場合 医療費が振り込まれる。

傷病手当金を受け取っている場合で、医療費を3割負担で処理している

すでに通院している医療機関に対して保険を利用して支払っている場合です。

この場合は通常医療機関にかかるのと同じように3割負担分を支払っています。

つまり、健康保険組合・国民健康保険(役所)で負担してもらっている7割の金額を変換する必要があります。

在職中なら保険組合、退職後なら国民健康保険(役所)に負担してもらっている7割分の費用の返還を行う(労災の補償金を受け取った後で良い)

労災が認定され、休業補償を受け取った後で構いませんが、在職中の方なら健康保険組合、退職後の方なら国民健康保険を管理している役所(市区町村)に、医療費の7割の返還を行います。

労災申請をする際に、その旨を各機関に説明する必要がありますので、労災が認定されたら報告をしましょう。後日請求書が届くので、そちらに振り込めばOKです。

労災指定病院の場合は様式を提出すれば、病院・薬局が労働基準監督署に直接費用を請求するため、当日の支払いはなくなる。

これは通院している病院や薬局が

 

労災指定

 

かどうかで変わります。

労災指定の医療機関については厚生労働省のサイトを利用して、近くにないかを検索してみましょう。

労災指定外の病院を利用している場合は、全額自己負担で支払い、後日様式を病院で書いてもらい、領収書・レセプトと合わせて労働基準監督署に提出する。

労働基準監督署には以下の書類の提出が必要です。

  • 様式5号(労災指定薬局の場合は最初の1回だけです) 薬局に提出して項目に記載してもらいましょう。
  • 様式7号(労災指定病院の場合は最初の1回だけです) 病院に提出して項目に記載してもらいましょう。
    書いてもらうのに、だいたい1〜2週間かかります
    受け取り時に、別途書類代が必要になりますので注意しましょう。
  • 様式8号(休業補償を受け取るための書類。毎回必要となります)
    生活の基盤となる重要な書類です。また、期間ごとに提出が必要となります。
    様式を病院に提出してからこれも1〜2週間かかります
    受け取り時に、別途書類代が必要になりますので注意しましょう。

労働基準監督署が提出された資料をもとに、指定口座に休業補償金と全額自己負担している医療費を振り込む。

医療機関から受け取った書類と、領収書・レセプト(点数が書いてある書類)をセットにして、労働基準監督署の担当の方に送付しましょう。

だいたい2週間くらいで指定口座に金額が入金されます。

のちに、支給決定通知書というハガキも届きますので、内容を確認しておきましょう(確認用の書類なので特に何かに必要というわけではありません)

ここの処理は最初から労災申請をしている方と同じですね。

お疲れ様でした。

まとめ

ほっと一息

以上が一連の手続きの流れとなります。

わからなくても労働基準監督署や医療機関の方が教えてくれますが、私は結構迷ったので参考になればと思いまとめてみました。

これから労災申請する人、すでに労災申請を受けていて認定待ちの人、単純に興味がある人いろいろいらっしゃると思いますが、お役に立ったのであれば幸いです。

もし退職された方は、離職理由によって国民健康保険の軽減措置を受けることができますので、よく確認しておきましょう。

うつ病などの精神疾患の治療期間を長く取りたい場合など、すぐに失業保険の給付を受けるつもりがない方は、治療中であることを手続きすれば受給期間をずらすことができます(最長2年)。知らない間に、受給期間が終わっていて失業保険給付を受けられなかったということにならない様に確認しておくことをオススメします。

残念ながら労災の認定を受けられなかった方は傷病手当金を受け取ってください。

労災認定されなかったということは、業務外の疾病と判断されたということなので、受給資格があります。

※すでに受け取っている方は、医療機関や役所に連絡し、認定をもらえなかったと伝えればOKです。通常通り健康保険を利用して3割負担で治療を受けられます。

労災認定された方は会社に対して「休業損害」の損害賠償請求訴訟を行いましょう。

休業損害は、平均賃金の40%を請求することができるので、休業補償の合計は120%になります。忘れずに請求を行いましょう。

以上、今回の記事がみなさんのお役に立てば嬉しいです。

それでは

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