タイトルを見て疑問に思われた方も多いんじゃないでしょうか?
ブラック企業ならブラック職場だし、ブラック職場ならブラック企業なんじゃないの?
その考えは半分正解で半分間違っています。
どういうことかというと、世間一般でホワイト企業と言われる企業の中にブラックな職場があるからです。
これは気をつけなければなりません。
とはいえ極端な話をすると、入ってみなければわからないことです。
もしも、残業が多くて休みが少ない、上司や同僚からパワハラやセクハラを受けている、給料や昇進が見込めない、仕事にやりがいを感じられないという状況に陥っているなら、あなたはブラック職場で働いている可能性があります。
そこで今回は、転職前に知っておきたいホワイト企業でもブラック職場があるリスクとその対処法を紹介します。この記事を読むことで、
- ブラック職場に陥らない方法
- ブラック職場から抜け出す方法
- ブラック職場の影響から回復する方法
を学ぶことができます。ぜひ参考にしてください。
目次
ブラック職場とは労働環境が過酷な職場
自分自身あるいは身近でこんな話を聞いたことはありませんか?
- 給与・福利厚生は良いが、激務の末精神を病み、休職・退職した
- 会社のカレンダーの休日は120日以上あるが、自分の部署は該当しない
- 入社した当初の部署は良かったが、部署異動で全く違う状況になった
- 残業時間の上限が決められており、タイムカードをおさせられる
- 管理職が従業員の大半を占める
- 自分の部署だけノルマが厳しく、連日連夜働き詰めでまともに家に帰れない
- 結婚して家を買ったらすぐに地方に転勤になった
- などなど…
ブラック職場とは、労働条件や人間関係が悪く、従業員の健康や幸福を脅かすような職場のことです。ブラック職場で長期間働き続けると、心身の不調やストレス障害を引き起こしたり、自殺に追い込まれたりする恐れがあります。
しかし、ブラック職場はブラック企業だけに存在するわけではありません。実は、ホワイト企業と呼ばれる企業の中にもブラック企業のような職場が存在することがあります。これは、「会社はホワイト企業と呼ばれているのに部署やチームごとに労働環境が異なり、一部の部署だけが過酷で不公平」という現象です。
このような状況では、「会社全体では良好だから」という理由で問題を見過ごされたり、「他の部署ではこんなことはしないから」という理由で問題を解決しようとしなかったりすることもあります。また、「会社名だけで判断して入ったら裏切られた」という被害者も少なくありません。
実際に私自身を含め、私の周りでもこういう人は多くいます。
優良企業と一括りにするのは非常に危険ですので、自分の立ち位置というのは良く確認するようにしましょう。
ホワイト企業の中のブラック職場
同じ会社でも事業部・部署・上司それぞれによってブラックかどうかが左右されます。
そして大企業の場合はこれらは自分でコントロールすることはできません(大企業に限った話ではありませんが、特に大企業の場合はこれが顕著です)。
異動届を出すことはできますが、実現するのはそれなりに時間と労力がかかるためハードルは高いでしょう。
同じ会社でも長時間残業の概念が違うなんてこともあります。
〇〇部署では40時間の残業を長時間残業と言い、△△部署では100時間を超えたあたりでようやく長時間残業といわれる(しかも残業代は出ない)。
こう言った職場は貧乏くじのように言われますが、ひとごとではありません。あなたが見ている光景は未来の自分自身かもしれないのです。
優良企業に入った知り合いが、激務の末、休職し結局退職になるケースを何件か見てきました(もちろん残業代請求を行っていません)。
たとえばこんなニュースを聞いたことがないでしょうか?
大企業で、しかも優良企業と言われている企業の社員が長時間残業の末に精神疾患となり自殺してしまった。
おそらく同じ企業でも、違う部署にいる人はこんな状況があることすら知らなかったと思います。多くの職場ではこのようなことは起こらないのでしょう。
しかし、それくらい一口でホワイト企業で有名な〇〇会社と言っても、職場、上司によって文化が違うのです。
ですので、今自分がいる職場を基準に物事を考えることは危険です。
そして組織文化は簡単に変わりません。
特に歴史があったり、年配の方が多い職場になると今までのやり方を変えることはまず不可能です。
疑心暗鬼になる必要はありませんが、万が一の際に備えて、いつでも会社を抜け出せる準備はしておくべきなのです。
参考動画|メンタリスト DaiGo
ひとごとではない人事異動
運悪く、自分がブラックな職場に配属されてしまったら、あとは消耗し続けるだけとなり、スキルを磨いたり、新たな技術を習得する暇さえなくなります。
そして視野が狭くなり、自分の居場所はここしかないという気持ちになっていきます。
この考え方になったら危険なサインが出ていると考えてください。
最悪のケースは倒れてしまうことです。
その場合は元の状態に復帰することは困難になります。
「体調管理も仕事のうち」なんて言われますが、朝から晩まで拘束され、休む間もなく働き続けなければならない状況で体調管理なんてできるはずがないのです。
自分自身の立ち位置を一歩引いて観察し、自分の価値観と将来を照らし合わせてみましょう。
「上司や先輩の姿は将来の自分の姿」
将来なりたい姿ならそのまま残って頑張ればいいですし(もちろん体調に気を配りながら)、そうでないのなら転職を検討するという選択肢を持ちましょう。
疲弊した状態ではキャリアを積むことは難しくなるので、早く動き出すことができるように転職の準備だけはしておくことをオススメします。
「仕事は見て盗め!」
こんな言葉をかけられたことはありませんか?
これは昔職人が若手に対して言葉で伝える代わりに自分の作業工程を全て見せ、真似させることで成長を促すという意味の言葉です。
私が新入社員の頃、教育係の先輩にこの言葉を言われました。
「俺はお前に直接教えるつもりはない、仕事は見て盗め!」
何を言ってるんだろうと思いましたが、そういうものなのかとその時は言葉を飲み込み、従おうとしました。
ところがです。肝心の仕事の内容を見ることができません。
「今の時代の仕事はPC内で完結する業務がほとんどだからです」
当然前提知識もなく、完成した資料だけを見せられるのですから、何もわかりません。
セキュリティが抜群のため、盗みようがないのです…。
結局その先輩は1年後に異動となりましたが、仕事を盗むことはできませんでした。
幸い次の教育係の先輩には親切に教えてもらうことができたため、仕事のやり方を学ぶことができましたが、1年目は何がなんやらさっぱりわかりませんでした。
結局のところ、教えるのが面倒なので「便利」な言葉として使っていたのだと後になって気づきました。
こういうもっともらしく「便利」な言葉を使う人には注意が必要です。
自分の立場を守ったり、面倒な仕事を遠ざけるための理由づけとして使う人間が多いからです。
上司や先輩の言動はしっかりと見ておく事が重要なのだと学んだエピソードでした。
参考動画|【転職】サラタメのホワイト転職
転職活動はキャリアアップのためだけではない
転職エージェントに客観的な評価をもらったり、現状を友人に相談してみるなどして、他に目を向けることを忘れないようにしましょう。
退職・転職については、ホワイト企業に入った後も常に考えておくことは自分自身の身を守ることにつながります。
もし今の職場が良い職場なら転職しなければいいだけなのですから、転職活動は継続的に行うことをオススメします。
私は退職や転職活動への意識が遅れたために、精神疾患となり退職することになりました。
残念ながら最終的には会社はあなたを守ってはくれません※会社が守るのは会社だけ!うつ病で退職した社員への対応は冷たい【うつ病体験談】。
自分自身の人生を守ることができるのはあなた自身だけなのです。
いろいろな選択肢が取れるように準備をしておきましょう。
転職先でブラック職場に陥らない方法
転職先を探す際には、「会社名」や「年収」だけで判断せず、「労働条件」や「仕事内容」もしっかり確認する必要があります。以下のポイントをチェックしてみましょう※とはいえ年収も気になります【2023年最新版】日本人の平均年収は?業界・職種別に見る生涯年収ランキング。
インターネット上では、「転職ドットコム」や「キャリコネ」、「転職会議」などの転職サイトに掲載されている会社の評判や口コミをチェックすることができます。これらのサイトでは、在職中や退職後の社員から、給与や福利厚生、仕事内容や人間関係などについての率直な意見を見ることができます。ただし、口コミは個人的な感想であり、必ずしも真実を反映しているとは限りません。また、同じ会社でも部署によって環境が異なる場合もあります。そのため、口コミは参考程度に留めておきましょう。
口コミだけでなく、会社の公式サイトやSNSなども活用してみましょう。会社のビジョンや方針、事業内容や成果、取引先やパートナーなどを確認することで、会社の雰囲気や方向性を把握することができます。また、SNSでは現場の様子やイベントなどを見ることができます。これらの情報は口コミよりも客観的で信頼性が高いです。
厚生労働省は毎月労働基準法に違反した企業を「労働基準関係法令違反に係る公表事案」で公表しています。
ただ、期間が1ヶ月なため過去の履歴を見ることができません。そこで「一般社団法人セルフキャリアデザイン協会」では、過去のデータも含めて毎月集計しているため、応募する企業が過去に違反していたことがないかチェックするすることができます。
株式会社には全ての株式会社は「決算公告(公告とは|官報や新聞・インターネットなどの方法により会社の情報を公開すること)」という「財務情報を公告しなければならない」義務があります。しかし、罰則があまり厳しくないため、中には提出していない企業も存在します。これを利用して、検索に引っかからない企業は「内部体制の弱い企業」だと判断することができます。
口コミや公式サイトだけでは分からない情報は面接時に直接確認しましょう。特に重要なポイントは以下の通りです。
- 残業時間:残業代が支払われるかどうかだけでなく、残業時間が多いか少ないかも確認してください。残業時間が多すぎると健康に悪影響を及ぼすだけでなく、プライベートの時間も削られます。
- 評価制度:評価制度が明確かどうかも重要です。評価基準が曖昧だったり不公平だったりすると、自分の努力が報われない可能性があります。また、評価制度によって昇給や昇進のチャンスも変わってきます。
- 休日・休暇:休日・休暇は労働者の権利です。有給休暇は取得しやすいかどうかも確認してください。有給休暇を取得しづらい職場ではストレスが溜まりやすく、メンタルヘルスに影響します。
- 仕事内容:仕事内容は自分の希望と合っているかどうかも重要です。自分の得意分野や興味分野と関係ない仕事ばかりだとモチベーションが下がります。また、仕事内容によって責任感やプレッシャーも変わってきます。
以上のように、会社の評判や口コミだけではなく、面接時に労働条件や仕事内容などを確認することで、職場選びの失敗を防ぐことができます。職場選びは一生に何度もある重要な決断です。自分の希望や条件に合った職場を見つけてください。
悩みの9割は人間関係に帰結する
人間関係は職場の雰囲気や楽しさを左右します。上司や同僚とのコミュニケーションがスムーズにできるかどうかも確認してください。人間関係が良好な職場では、協力し合ったり、助け合ったり、切磋琢磨したりすることができます。また、仕事以外の話題や趣味なども共有できると、仲間意識や信頼感が高まります。
人間関係を良好にするためには、自分から「与える」意識を持つことが大切です。自分から周囲に貢献したり、感謝したり、謝罪したりすることで、相手に好印象を与えることができます。また、自分のやるべき業務をしっかり行うことも前提です。仕事で成果を出している人は、人間関係がうまくいきやすい傾向にあります。
一方、人間関係を悪化させる原因は、ミスや失敗によってではなく、ミスをした社員の悪対応によって多く起こります。失敗をすれば謝る、フォローをしてもらったら感謝するという基本的なマナーを守りましょう。また、他人の悪口や陰口は絶対に避けましょう。それは相手だけでなく自分自身の評判も下げる行為です。
そして最も重要なことは、ミスをした時に「ミスの原因を探るのか」それとも「ミスした人を責めるのか」の違いにあります。小さな違いのようですが、前者は仕組みや業務内容に意識が向くのに対して、後者は人間に意識が向きます。前者は改善して環境が良くなる可能性がありますが、後者は人間の排除に意識が向かうため、環境が良くなることはないので注意が必要です。
まとめ
ブラック職場は外からでは見分けることが非常に難しいです。
長時間労働が原因でうつ病になったら会社から捨てられるだけです。
その際の対抗手段は覚えておくようにしましょう※例えば残業代請求や労災申請などです。
万が一自分がその状況に陥った時のために、常に準備はしておきましょう。
どんな職場でも万が一のために以下ができるようにしておくこと!
①|出退勤のメモを取る(1分単位・休憩時間の業務含む)
②|上司の指示・発言内容のメモを取る(指示メールは保存しておく)
③|連続勤務日数の記録(連続12日以上ある場合は注意!)
④|給与明細は書類で手元に用意しておく
⑤|雇用契約書はすぐに用意できるようにしておく
⑥|管理職は組織図を手元に持っておく
⑦|トラブル時の弁護士は【 日本労働弁護団 】へ連絡する
メモとしているのは、企業によって荷物の持ち込み禁止の場所があるからです。
それを悪用し、セクハラ・パワハラなどのハラスメント行為や、長時間労働などが常態化している職場があります。
自分の身を守り、後々、泣き寝入りせずに反撃できるような資料は用意してくことが大事です。
以上、過酷な労働環境からの脱出方法を紹介しました。これらのポイントを参考にして、自分に合った職場を見つけてください。もし、今の職場がブラック部署であると感じているなら、早めに転職活動を始めることをおすすめします。
以上、今回の記事がみなさんのお役に立てれば嬉しいです。
それでは