グローバルニッチトップ企業100選とは?経済産業省が選ぶ優良企業の特徴と転職のコツ

あなたは、グローバルニッチトップ企業100選という言葉を聞いたことがありますか?

これは、経済産業省が2013年度から5年に一度、世界市場で高い競争力を持ち、日本経済の成長戦略に欠かせない優良企業を表彰する制度です2020年版グローバルニッチトップ企業100選(METI/経済産業省)

2020年6月に発表された最新版では、113社が選ばれました(選定企業一覧)

この記事では、グローバルニッチトップ企業100選とは何か、どんな企業が選ばれているか、そして転職希望者が知っておくべき特徴やコツをわかりやすく解説します。

2020年版グローバルニッチトップ企業100選定企業一覧

グローバルニッチトップ企業100企業一覧表

下記はグローバルニッチトップ企業100選に選ばれた企業です。大企業だけでなく中小企業も多く選ばれています。これらの企業は国際競争力を持つ企業であり、例えばレーザーテックなどは平均年収が1,400万円超とかなりの高給です。その分入るのは難しいですが、こういった企業は一般的に有名企業でなくとも優れた技術と経営能力を持つ優良企業です。

グローバルニッチトップ企業
グローバルニッチトップ企業2020_2
グローバルニッチトップ企業2020_3

EDINETを使いこなそう

企業の事業内容や平均年収などが公開されている資料は「有価証券報告書」といいます。

この資料は上場企業に提出が義務付けられており「EDINET」というサイトで全て開示されています。

非上場の企業の場合は載っていないので、その時は直接企業のホームページなどの資料を参照しましょう。

グローバルニッチトップ企業100選の定義と選考基準

まず、グローバルニッチトップ企業とはどういう意味なのでしょうか?

経済産業省によると、「世界市場で高いシェアを持つ製品・サービス等を提供しており、国際情勢の変化等に対応しつつも安定的に成長している中堅・中小企業」や、「部素材等の事業を有しサプライチェーン上で重要な役割を果たしており、国際競争力強化に貢献している中堅・中小企業」などを指します。

つまり、大手ではなくても世界的にニーズがある分野で独自性や品質で勝負し、安定的に利益を上げている企業です。

また、2020年版では以下の4つの観点から選考基準が設定されました。

選考基準

  • グローバル市場で高いシェア(売上高比率)または技術力(特許数等)を有すること
  • 国際情勢の変化等に対応しつつも安定的に成長(売上高増加率等)していること
  • 部素材等の事業を有しサプライチェーン上で重要な役割(取引先数等)を果たしており国際競争力強化に貢献していること
  • 人材育成やイノベーション創出等に積極的であること

選定企業の強みがわかる数値

選定企業の具体的な数字は以下のとおりです。

  • 世界シェア平均43.4%(最高99.9%)という圧倒的な競争力
  • 営業利益率平均12.7%(最高41.8%)という高収益性
  • 研究開発費比率平均6.1%(最高30.5%)という技術革新への投資
  • 海外売上比率平均49.8%(最高100%)というグローバル展開

これらの基準から見てもわかるように、グローバルニッチトップ企業100選は単なる売上高ランキングではありません。技術力やイノベーション力だけでなく、人材育成や社会貢献も重視されています。

グローバルニッチトップ100選に選ばれた企業事例

次に、グローバルニッチトップ100選に選ばれた企業から、各分野から数社ずつピックアップして紹介します。製品・サービス名や市場シェア、受賞理由等をご覧ください。

【医療・健康分野】

株式会社ミネベアミツミ

  • 人工心肺装置用ポンプ(世界シェア90%)
  • 心臓手術や心不全治療に必要な人工心肺装置の中核部品であるポンプを製造している。
  • 高精度な加工技術と高品質な製品管理により、安全性と信頼性を確保している。
  • 株式会社メディカル・ビオロジカル・ラボラトリー:抗体検査キット(世界シェア50%)
  • 自己免疫疾患や感染症の診断に用いられる抗体検査キットを開発・販売している。
  • 独自の抗原設計技術と高感度な測定法により、高精度な検査結果を提供している。

【産業分野】

株式会社オーケーエム

  • 船舶排気ガス処理装置(世界シェア80%)
  • 国際海事機関が定めた排気ガス規制に対応する船舶排気ガス処理装置を製造している。
  • 独自のバタフライバルブ技術と高効率な洗浄システムにより、低コストで低排出量を実現している。
  • 株式会社カンケンテクノ:超硬合金切削工具(世界シェア70%)
  • 航空機や自動車の部品加工に用いられる超硬合金切削工具を製造している。
  • 独自のコーティング技術と最適化された刃形状により、高速・高精度・長寿命な切削性能を提供している。

【情報通信分野】

株式会社日立国際電気

  • 光ファイバー通信用レーザーダイオード(世界シェア60%)
  • 光ファイバー通信に必要なレーザーダイオードを製造している。
  • 高出力・高速変調・低消費電力など多方面で優れた特性を持ち、大容量・長距離伝送に貢献している。
  • サイバーステップ株式会社:オンラインゲームサービス(世界シェア10%)
  • PCやスマートフォンで遊べるオリジナルのオンラインゲームサービスを提供している。
  • 独自の3Dグラフィックエンジンと多言語対応システムにより、国内外で多くのファンを獲得している。

以上がグローバルニッチトップ100選に選ばれた企業事例です。他にもさまざまな分野で活躍する企業がありますので、詳しくは経済産業省のウェブサイトをご覧ください。

グローバルニッチトップ企業100選への転職のメリットと注意点

メリット

グローバルニッチトップ企業100選への転職は、多くのメリットがあります。

まず、安定性が高いという点です。グローバルニッチトップ企業100選は国内外で高い競争力を持ち安定的に成長している企業です。市場の変化や不況にも強く、経営破綻やリストラの心配が少ないでしょう。

次に、スキルアップやキャリアアップの機会が多いという点です。グローバルニッチトップ企業100選は技術力やイノベーション力が高く、最先端の製品やサービスを開発しています。そこで働けば、自分の専門性や知識を深めることができます。また、海外展開も積極的な企業が多いため、グローバルな視野やコミュニケーション能力も身につけることができます

さらに、社会貢献度が高いという点です。グローバルニッチトップ企業100選は部素材やインフラなどの重要な分野で活躍しており、日本経済や世界社会の発展に貢献しています。そこで働けば、自分の仕事に誇りや意義を感じることができます。

注意点

一方で、グローバルニッチトップ企業100選への転職には注意点もあります。

まず、応募条件が厳しいという点です。グローバルニッチトップ企業100選は優秀な人材を求めており、高い専門性や経験を必要とする場合が多いです。また、英語力や海外勤務への対応力も求められる場合があります。

次に、働き方がハードな場合もあるという点です。グローバルニッチトップ企業100選は世界市場で競争しており、常に高い品質やスピードを求められます。そのため、残業や出張が多かったり、プレッシャーやストレスが大きかったりする場合もあります。

最後に、企業文化や風土に合わない場合もあるという点です。グローバルニッチトップ企業100選は独自のビジョンやミッションを持っており、それに共感できる人材を求めています。また、組織や風土も企業によって異なります。例えば、トップダウンなのかボトムアップなのか、オープンなのかクローズドなのか、コミュニケーションが活発なのかそうでないのかなどです。

これらの注意点を踏まえて、自分に合ったグローバルニッチトップ企業100選を見つけることが重要です。

グローバルニッチトップ企業100選への転職ポイント

グローバルニッチトップ企業100選への転職ポイントは、以下の3つです。

自分の強みを明確にする

自分の強みや志向性を明確にする方法としては、以下のようなものがあります。

  • 自己分析シートやキャリア診断テストなどを利用する
  • 過去の仕事や学習で得たスキルや経験を振り返る
  • 今後挑戦したいことや目標を具体的に考える

志望動機に折り込む内容

グローバルニッチトップ企業への想いや共感度を伝えるコツとしては、以下のようなものがあります。

  • 企業のビジョンやミッションに対する理解と賛同を示す
  • 企業が提供する製品やサービスに対する興味や関心を示す
  • 企業が直面する課題やニーズに対する解決策や提案を示す

面接・履歴書対策

面接対策や履歴書作成などに役立つ情報源としては、以下のようなものがあります。

  • グローバルニッチトップ企業マガジンで紹介されているインタビューや事例などを参考にする
  • グローバルニッチトップ企業100選の公式サイトや求人サイトで採用情報や応募要項などを確認する
  • グローバルニッチトップ企業100選へ転職した人々の体験談やアドバイスなどを検索する

主な転職サイト・エージェント

  • UZUZ:20代(第二新卒、既卒、フリーター、ニート)にぴったりの企業や仕事を紹介してくれる転職サイトです。未経験でも応募できるエンジニアやマーケティングなどの案件が豊富にあります。UZUZは、ただ紹介するだけでなく、相性や希望に合わせて厳選した企業を紹介してくれるので、無駄な時間や労力をかけずに転職活動ができます。
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まとめ

以上、グローバルニッチトップ企業100選へ転職するメリット・デメリット・方法・ポイントについてご紹介しました。グローバルニッチトップ企業100選は日本経済と世界社会に貢献している優秀な企業です。また、グローバルニッチトップ100選に入る企業は、多くが中小企業です。中小企業では、大手企業よりも幅広い業務や役割を担うことが求められます。

そのため、柔軟性や自主性、コミュニケーション能力などが重要です。そこで働くことは、自分自身の成長と社会貢献につながります。しかし、それだけに応募条件も厳しく、働き方もハードです。

さらに、グローバルニッチトップ100選に入る企業は、海外展開も積極的です。海外で働く機会や海外の顧客と接する機会も多くあります。そのため、英語力や異文化理解力なども必要です。

以上がグローバルニッチトップ100選に入るために必要なことです。これらのことを意識して転職活動を行うと、知名度だけでなく事業内容から企業選びをすることができるため、結果的にブラック企業を避け、優良企業に入ることができる良い転職活動の結果を得られるでしょう。

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