私は数年前に長時間労働やパワハラを原因にうつ病になりました。そのとき、食欲の変化が大きな悩みのひとつでした。食べることができなくなったり、逆に食べ過ぎてしまったり、体重が増減したり…。うつ病と食欲は密接に関係しているのです。
この記事では、うつ病と食欲の関係や対処法を分かりやすく解説します。私の体験談も交えてお話ししますので、同じように悩んでいる方やご家族・ご友人の方にも参考になれば幸いです。
目次
うつ病発症後の食欲不振と体重減少
うつ病になった時に起こる体の変化のうち、食欲の変化についてお話ししたいと思います。※前提として私の経験をお話ししますので、1人暮らしの成人男性モデルとして参考にしてください。
うつ病の症状が重いとき
うつ病になったら食欲はどうなるのか、まずは食欲不信におちいります。
お腹は空くことは空きますが、食べること自体が億劫になります。
そのため、初期はどちらかといえば痩せるかも知れません。
このような食欲不振は、うつ病患者さんに多く見られる症状です。セロトニンやドーパミンといった神経伝達物質が減少することで起こると考えられています 。これらの物質は気分や味覚を司っていますから、不足すると楽しみや喜びを感じられません。
また、睡眠不足や身体的活動低下も影響しています 。睡眠不足は代謝を低下させますし、身体的活動低下は消費カロリーを減らします。
食事ができるようになっても太りやすくなる理由と問題点
回復期に入ると太りやすい
その後少しずつ回復するにつれて、簡単なものなら食べようかなという気分になります。
そして簡単にカロリーが取れるものを食べるようになります。
例えば「菓子パン」とか「ジャンクフード」のようなものです。
栄養バランスなんて考えていられません。こういったものはとりあえず食べるというのに最適なのです。
そして日中は寝ること以外、何もできません。
体からすれば高カロリーの食品を食べて寝てを繰り返しているだけの状態になります。
そして「太ります」
気づいた時には+10キロ、さらに数ヶ月後+10キロと合計で20キロ増えました。
そのため、食欲があるというよりは食生活に問題が出るというのが太った原因だとおもいます。
健康な状態の時は健康なことを考えられますが、健康でない状態の時は、健康のことを考えて行動する元気がないのです。
つまりここで悪循環が生じるために太るという現象が起きたのだと自分の中で納得しています。
一つ注意しておきたいのは、中には薬の影響で食欲が増進されるものもあるそうですので、薬の副作用に関しては主治医の先生に相談してみましょう。
太ることへの対処法と心構え
必要な心構え
では、どうすればよいでしょうか?私は以下のような対処法と心構えを守っています。
- 回復が最優先であることを忘れない
- 自分を責めない
- 適度な運動をする
- 栄養バランスの良い食事をする
- 医師や栄養士に相談する
まず大切なことは、回復が最優先であることです。太ってしまったからと言って焦ってダイエットに走る必要はありません。むしろ無理なダイエットはストレスになりますし、体力や免疫力も低下させます。回復期間中は体重管理よりも精神的安定を優先させましょう。
太るのは気にしなくていい、体調が戻ったら健康な食事に戻そう
太るのはすごく気になりますが、健康を気にするのはある程度体調が戻ってからでいいと思います。
なるべく精神的な負担を減らすことを優先すべきだと思うので、まずは、食事と睡眠と軽度の運動ができる状態にまで回復することを目指しましょう。
それができてから、徐々に健康的な食生活と運動を取り入れるようにしましょう。
ストレスになって続かないより、ほんの少しずつ野菜を取り入れてみるとか、ジャンクフードを減らしてみるとか、変化させていくことが大事だと思います。
家族がいる方やパートナーがいらっしゃる方は迷惑だと思わずに積極的に協力を求めましょう。
1人の方は徐々に自分の変化を感じ取りながら、考えていけばいいと思います。
自分を責めずにペースを守る
次に大切なことは、自分を責めないことです。太ってしまった自分に罪悪感や劣等感を持つ人もいますが、それは無意味です。太った原因は自分ではコントロールできないものばかりですから、仕方ありません。自分自身を受け入れてあげましょう。
そして適度な運動をすることです。運動は身体的にも精神的にも良い影響を与えます 。身体的には代謝や筋力・持久力・柔軟性・免疫力を向上させますし、精神的には気分を明るくしたり、ストレスを解消したりします。運動は必要以上に激しくする必要はありません。散歩や自転車などの有酸素運動がおすすめです。週に3回、30分程度を目安に行いましょう。
続けることが大事なので、しんどい時は外に一歩出れたら目標達成くらいの感覚でいいと思います。
余裕が出てきたら食生活を見直す
少し余裕が出てきたら、栄養バランスの良い食事をすることです。食事は身体と心のエネルギー源ですから、偏らないように気をつけましょう。特にうつ病と関係すると言われている栄養素としては、DHAやEPAなど青魚に含まれるω-3脂肪酸、トリプトファンやメチオニンなどのアミノ酸、葉酸やビタミンDなどのビタミンがあります。これらは神経伝達物質の合成や活性化に重要な役割を果たします。
ω-3脂肪酸は青魚やナッツ類に多く含まれます。アミノ酸は肉や卵・乳製品・大豆製品などのタンパク質源から摂取できます。葉酸は緑黄色野菜やレバー・豆類・果物などに多く含まれます。ビタミンDは日光浴やキノコ類・卵黄・乳製品などから摂取できます。
もし食事だけでは不足していると感じる場合は、医師や栄養士に相談してサプリメントを利用することもできます。ただし、サプリメントだけで治るわけではありませんし、過剰摂取も注意が必要です。
まとめ
いずれにしても、健康について考える機会が増えると思いますから、そこからでも十分に間に合います。
私は2年以上うつ病と付き合っていますが、ピーク時は20キロ増えましたが、食事や運動を続けて現在は10キロ減らすことができました。と言ってもまだ10キロ太ってるんですけどね…。
今後も継続して食事と運動を続けて元の体重まで戻すつもりです。
もちろんゆっくりとですが。
以上、私の体験についてお話しさせていただきました。
読んでいただいた皆さんの参考になれば幸いです
それでは