私がうつ病になったのは、ベンチャー企業に入ってから1年ほど経った時でした。毎日残業や休日出勤が当たり前で、上司からもパワハラを受けていました。自分では頑張っているつもりでしたが、だんだん体調が悪くなり、やる気もなくなっていきました。ある朝立ち上がることもできず、倒れてしまいました。
今思い出すだけでも腹が立つような出来事なのですが、ひとつずつ思い出して描いていこうと思います。
- うつ病になった時の会社の反応
- 退職とその後の労災申請
- 労災申請の方法
- ブログ発信の経緯
- 第三者機関・会社脱出装置の紹介
うつ病は簡単に治る病気ではなく3ヶ月の休職期間の後、休職期間満了で退職することになりました。業務過多になっていたのは明らかで、会社も認識していたのに謝罪や反省の言葉を聞く言葉はありませんでした。そこでサヨナラです。
こんな冷たい対応しかされなかったのです。私だけではありません。同じようにうつ病で退職した人や休職中の人も多くいます。彼らも同じように会社から見捨てられています。
これが現実です。会社は自分の利益しか考えてくれません。あなたがどんなに貢献しても、あなたが倒れたらすぐに切り捨てます。これが会社に尽くすことの危険性です。
目次
会社はあなたにウソをつく
私が働いていた職場は入社する前にすでに1年間で10人近くの退職者を出していた職場でした。
原因は激務と社長と上司のパワハラ。
面接の時に聞いた話などウソばかりで、自分のために人を利用することに何のためらいもない人間たちでした。
社内の人間だけではなく、社外の人間に対しても平気でウソをつきます。そのウソの埋め合わせをするのは部下の役目ですが、そうそう対応できるものではありません。結果としてウソの埋め合わせをするために業務は増え続け、多くの従業員が苦しんでいました。
さらに職場が閉鎖空間だったこともあり、人格否定などの暴言は当たり前、休みもなく連日連夜働かされ、同僚だったマネージャー2人も私の前に精神疾患で倒れ退職しました。
ですが本人は本気で自分が悪いと思っていません。何人も退職させた末に上司が放った言葉は
「これじゃあ俺が悪いみたいじゃん」
という言葉。
全く自覚がないという点が怖いところですが、彼の部下になる社員を自分の道具として扱い、部下の話は聞かずに一方的に命令を下し、消耗品となるだけでした。
信じられないと思う方もいると思いますが、世の中にはこういう人や企業があるので注意が必要です。
違和感を感じた時にもっと早く逃げることができていればと悔いが残っています。会社に入った時に感じた違和感は最後まで残ることが多いので、早い段階で脱出できるように準備をしておくことを強く勧めます。
こういった経験を元に、私がうつ病になった時の会社の対応や、泣き寝入りをしないことの重要性、同じような人間を出さないために情報を発信していくことの決意について書いていきたいと思います。
うつ病になったときの会社の反応
会社の人手不足や管理体制の不備、次々と退職する社員の業務を補うために増え続ける業務量。それにもかかわらず社長の方針としては「少数精鋭(人手不足)」を方針とし、人員の補充がされることはありませんでした。
毎日深夜まで働き、終電を逃す時もしばしば。しかし「管理職」扱いのため、残業代が支給されることも時間外労働時間の管理もされることはありませんでした。※のちに名ばかり管理職として残業代請求することになるのですが、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
結果体調を崩し、精神科を受診したところ「うつ病」の診断を受けました。
うつ病の診断となり休職の手続きのために会社に行ったとき、上司との面談がありました。
その際に言われたのですが、
「いい勉強になったでしょ」
「自分の限界がわかってよかったんじゃない」
と、それだけでした。
誰のせいだと思っているんだと思いましたが、反論する元気もなかったのでその時は休職の話をするだけで終わりました。
実際数ヶ月休めば「元のように元気に働ける」という認識でした。
うつ病などの精神疾患は数ヶ月の休職で改善するものではなく、数年間付き合っていかなければならない深刻な病気です。休職期間は法的な制約はなく、会社の任意で決めることができます。私がいた会社では3ヶ月間を上限とし、期間満了後も体調の改善が見られない場合は「退職」という内容だったため、結局退職という流れになりました。
そして休職期間満了で退職する時に色々話をしましたが、
謝罪の言葉は一言もありませんでした。
元々の人間性を知っていたので、期待をしていたわけではありませんが、これが現実なのかと改めて失望したのを覚えています。
結局会社としては私はそこで終わった人間だったのです。
退職、その後の労災申請
もし私が声を上げなければそれで終わりでした。
残業代請求をしなかったら?労災申請をしなかったら?もし何もしなかったらそれでおしまい。会社にとってはラッキーです。
これまで退職していった人たちは、会社に対して反撃をせず、酷い扱いを受けても泣き寝入りをするだけでした。
誰かが代わりに戦ってくれることはありません。自分自身で行動を起こすしかないのです。最終的に自分を守れるのは自分だけということに気づきました。
そして自分を守るための対抗策を身につけておくことが大事だということがわかったのです。
その時は治療に専念したいという思いがあったので、すぐに行動に起こすことはできませんでしたが、準備だけはする様にしていました。
今後、自分の人生を考えたときに必ず直面する問題は金銭面での問題です。
ここを外してしまっては、まともに働けない中で常に不安を抱えていかなければなりません。
そしてこの時に初めて自分の人生にとって一番大事なものは何かについて考え始める様になったのです。
私には周りの評価ではなく、自分自身が納得するやり方で成果を上げていくことが重要なのだと気づきました。
「おかしいことにはおかしいと声を上げ、しんどくても戦うことが必要であることもあるとわかったのです。戦わなければ何も変わらない、そう感じました。」
そしてそのためには人の力を借りることも必要だということに気づきました。
恥ずかしながら、組織内にいる時は周りの人間を信用できずに自分で解決するしかないと思っていましたから。
その価値観に従い、まずは自分がおかしいと感じていた事。つまり会社での自分の立場が「名ばかり管理職」である事、また「精神疾患は業務が原因であること」を主張すべきであるとの考えに至りました。そして会社に対して一矢報いるべきだと思い立ち上がりました。
同時に自分と同じ様に苦しむ人間を出さないこと、今現在苦しんでいる人の力になりたいと思うようになったのです。
参考動画|弁護士西川暢春の咲くや企業法務TV
労災申請の方法
仕事上のストレスや過労が原因で発症した場合は労災申請することが可能です。また、労災申請は退職後も可能です。労災申請すると治療費や休業補償金・障害補償金・後遺障害年金・死亡補償金・遺族年金等を受け取ることができます。ただし労災申請する場合は以下の注意点があります。
発症日から2年以内に申請しなければなりません。うつ病の発症日は特定が難しいため、最終的な日程は労災認定後に決められます。なおそれによって労働者が不利にならないように労働基準監督署側で調整してくれます。
労災認定は厚生労働省の基準によって判断されます。基準は以下の通りです。
- 仕事上のストレスや過労によって引き起こされたことが明らかであること
- 精神障害が重度であること(うつ病では、うつ状態で自殺未遂をした場合や、入院治療を必要とする場合など)
- 精神障害が持続的であること(うつ病では、6ヶ月以上治らない場合など)
労災申請すると会社から反対や妨害を受ける可能性があります。その場合は以下の対抗策を取りましょう。
- 証拠集め: 残業時間や業務内容・責任範囲・評価制度・人間関係など、仕事上のストレスや過労の原因となった事項に関する証拠を集めておきましょう。証拠には、勤務表・給与明細・メール・チャット・メモ・録音・録画などがあります。
- 専門家へ相談: 労災申請に関する専門的な知識や経験を持つ弁護士や労働相談員に相談しましょう。彼らはあなたの権利を守るためにアドバイスやサポートをしてくれます。
ブログ発信の経緯
そして始めたのが自分の経験を発信するこのブログでした。
これはまだ一つのツールであり、きっかけでしかありませんが、充実したコンテンツを作成して、このブログを見た人にとって役立つものであればと思い、できるだけご覧の皆さんの目線に近いもになるよう、私自身の経験を中心に発信しています。
困った時や、迷ったときの道標となるのが自分自身の価値観です。
私は当初この自分の価値観を就活の面接で受かるためのツールとしてしかとらえていませんでしたが、そうではなく、本当に自分が求めるものや、なりたいものに近づくために必要なものなのだと恥ずかしながら今頃になって気づきました。
この気づきは早ければ早い方がいいです。
今苦しんでいる方、困っている方、迷っている方、今あなたがいる場所が全てではないです。
もっと世界は広くいろいろなもので溢れています。
あなたはどこでもやっていけるのです。
そのためには知識と行動が必要です。
そのために私自身提供できるものは全て提供するつもりです。
まとめ
繰り返します
「会社はあなたを守ってはくれません」
これは現実です。
そのために自分の身を守り、抵抗するための武器、知識を身につける必要があるのです。
残業代請求は社員が本来もらうべき労働の対価として。あなたが正当な報酬を受け取るだけでなく、今後も企業が労働者にしている借金を踏み倒させないために、残業代請求を行なってください。
様々な選択肢を本来持っているはずなのですが、企業で働いていると、所属している組織の常識がいつしか自分自身にとっての普通として認識されてしまいます。
常に一歩引いた目線を持ち、俯瞰して自分たちの人生を見つめ、より幸せな方向へと迷いながらも進んでいく。これが本質的な幸せにつながっていくのだと私は思います。
心の余裕がない人はまずは余裕を作ることから始めましょう。
常に考えて行動している人は自分の価値観についても見つめ直してみましょう。このブログが皆さんのきっかけになって欲しいと思い書いています。
私の経験を踏まえ、このブログではいつでも反撃するために必要な7ヶ条を設定していますのでご紹介します。
どんな職場でも万が一のために以下ができるようにしておくこと!
①|出退勤のメモを取る(1分単位・休憩時間の業務含む)
②|上司の指示・発言内容のメモを取る(指示メールは保存しておく)
③|連続勤務日数の記録(連続12日以上ある場合は注意!)
④|給与明細は書類で手元に用意しておく
⑤|雇用契約書はすぐに用意できるようにしておく
⑥|管理職は組織図を手元に持っておく
⑦|トラブル時の弁護士は【 日本労働弁護団 】へ連絡する
メモとしているのは、企業によって荷物の持ち込み禁止の場所があるからです。
それを悪用し、セクハラ・パワハラなどのハラスメント行為や、長時間労働などが常態化している職場があります。
自分の身を守り、後々、泣き寝入りせずに反撃できるような資料は用意してくことが大事です。
最後に皆さんの力になってくれる人たち・情報についてのリンクを貼っておきますので是非参考にしてみてください。
弁護士をお探しの方はこちら
労働基準法関係はこちら
以上、今回の記事が皆さんのお役に立てれば幸いです。
それでは