うつ病で会社を辞めざるをえなくなっても「自己都合退職」の場合、退職したら国民健康保険料が高くなるという悩みをお持ちの方は多いと思います。退職後は会社からの給与がなくなり、自分で国民健康保険料を支払わなければなりません。
しかし、実はうつ病で退職した場合でも、労災認定を受けた場合は離職区分が変更となり、国民健康保険料の軽減措置を受けられる可能性があるのです。労災認定とはどんな制度なのか、どんなメリットがあるのか、どうやって申請するのかについて詳しく解説します。
国民健康保険料の金額は、年間だとかなりの負担額になります。
覚えておくと経済的負担が軽くなるので、是非読んでみてください。
自治体によって処理方法が異なる場合がありますので、手続きについては必ず確認するようにしてください。また、対象の方は、うつ病等による休職期間満了などの理由で退職したものの、退職理由が「自己都合」となっている方を対象としています。
また、うつ病の方は必ず労災申請を行いましょう。退職後も2年間は申請可能な上、補償も手厚いので申請する価値はあります。
目次
離職票の離職区分を確認
退職理由は「雇用保険被保険者離職票」に記載されている「離職区分」を元に決定されますが、自己都合退職の場合でも、「非自発的理由(労災を受けるなどの会社側に責任がある場合の退職)」に該当する場合は、国民健康保険料の負担額を30%まで減額できます。
必要書類と確認内容
雇用保険被保険者離職票
雇用保険受給資格者証
※コードと離職理由を確認!
国民健康保険料の減額の対象となる離職理由
離職区分|解雇理由コード|離職理由
- 11|1A|解雇(12.50以外)
- 12|1B|転載等の理由により事業の継続が不可能になったことによる解雇
- 21|2A|雇止め(雇用期間3年以上雇止め通知あり)
- 22|2B|雇止め(雇用期間3年未満更新明示あり)
- 23|2C|期間満了(雇用期間3年未満更新明示なし)
- 31|3A|事業主からの働きかけによる正当な理由のある自己都合退職
- 32|3B|事業所移転等に伴う正当な理由のある自己都合退職
- 33|3C|正当な理由のある自己都合退職(31、32以外)
- 34|3D|正当な理由のある自己都合退職(被保険者期間12ヶ月未満)
※離職区分は「雇用保険被保険者離職票」に記載されている離職理由。コードは雇用保険受給資格者証に記載されている離職理由コード(参考:ハローワーク情報サイト~ハロワのいろは~)。
今回は上記の「33」になるように手続きを行います。
それでは続いて具体的な手続きを見てみましょう。
退職時の資料を確認
退職をした時、次の資料をもらいます。
- 雇用保険被保険者離職票(加入期間が通算で1年以上である必要があります)
- 離職票(今回の手続きには必要ありません)
- 退職証明書(今回の手続きには必要ありません)
この中で重要なのか雇用保険被保険者離職票です。
次にハローワークでもらえるものを見てみましょう。
ハローワークで雇用保険受給資格者証をもらう
ハローワークに行って「雇用保険受給資格者証」をもらいましょう。
退職時にもらえる「雇用保険被保険者離職票」を持っていけばもらうことができます。
この時、すぐに再就職できないと言うことを証明するために、医師の証明と待機期間30日が必要です。条件を満たすと通常の自己都合退職から、軽減措置の対象である「離職区分を33に変更してくれます」。
※失業保険受給期間の延長申請を行っている場合は、再就職可能の手続きをとるまで雇用保険受給資格者証を受け取れないので注意しましょう。
市区町村の役所で国民健康保険料の軽減措置を行う
これで、国民健康保険料の軽減措置を受けることができます。
国民健康保険料は前年度の所得を基準に算定されますので、この軽減措置を受けることで、退職後の離職期間に支払わなければならない国民健康保険料の負担額が30%に減額されます。
今回の手続きは、私が住んでいる役所での手続きのため、 自治体によっては手続き方法が異なる場合があります!念のため、必ず担当の職員に条件を確認しましょう!
まとめ
流れをまとめると次の通りです。
会社を退職し、雇用保険被保険者離職票(加入期間が通算で1年以上である必要があります)をもらう。
退職時に次の資料がもらえるはずなので確認しておきましょう。
- ①|雇用保険被保険者離職票(加入期間が通算で1年以上である必要があります)
- ②|離職票(今回の手続きには必要ありません)
- ③|退職証明書(今回の手続きには必要ありません)
ハローワークに行って「雇用保険受給資格者証」を受け取る。
軽減措置の対象である「離職区分を33に変更」してもらう。
国民健康保険料の軽減措置を申請する。
退職後の離職期間に支払わなければならない国民健康保険料の負担額が30%に減額される。
経済的に困難な状態にならないためにも、活用できる制度はフルに活用し、新たな人生の一歩を踏み出せるようにしましょう!
今回の記事が皆さんのお役に立てれば幸いです。
それでは