今回は、私自身が経験した労災申請とその後の経過についてお話ししたいと思います。
以前ブラック企業で働いていたとき、過重な業務や長時間労働によってうつ病を発症しました。医師からは休職を勧められましたが、無理をして働き続けたため倒れることになり、休職期間中には回復せず、退職せざるをえませんでした。
退職後、ある程度体力が回復するのを待ってから労災申請をすることにしました(申請の時効が2年であることに注意してください)。会社に申請書を提出したものの、返ってきたのは空欄の事業主証明欄の書類と反論書でした。
今回は、労災申請を行った際の会社側の反論書を紹介したいと思います。基本的に精神疾患で労災申請を行う場合は、業務との因果関係を否定するため、必ず反論してくると考えていいでしょう。
目次
会社からの反論書
ここでは会社が因果関係を否定するためにどのような反論をしてきたのか。内容をそのまま記述します。こちらとしては特にやることはありません。反論書とともに申請書の事業主証明欄が空欄のまま送り返されてきますが、空欄のまま提出して問題ありません。提出後、労働基準監督署の調査が始まります。
なお、労災申請の様式は厚生労働省のホームページで公開されています。会社から様式がもらえない場合はこちらを印刷して提出しましょう。
貴殿及び貴殿の部下を含めた勤怠及び業務における管理状況について
入社から貴殿の勤怠において長期の離脱や遅刻・早退が続出するような事象はなく、当社として勤怠及び体調に問題がないと認識していた。
管理監督者である貴殿については、自己の最良で作業スケジュール、メンバーの作業工程指示を決定する権利があったため、勤務時間及び残業時間については一任していた。
なお、当社としては36協定の遵守、安全衛生法の観点から自信及びメンバーの時間圧縮についての推進を求めてきた。
管理監督者である貴殿については、メンバーの時間管理や部内の作業時間削減も役割として担っており、前職においても業務改善や残業時間削減で成果を上げた実績があったため、当社しては自信及び自部門の業務改善や残業時間削減も期待していたが、メンバーの残業時間削減は進まず、自身の勤務時間も圧縮できず長時間労働が継続的に行われたため、上司より自信及びメンバーに対して残業時間を削減するよう強く指示をしてきた。
貴殿が主張する業務と精神疾患との関係性について
- 入社からの期間が短いこと。
- 貴殿が自信の最良で勤務時間や業務スケジュールを起案することで、上長や会社は容認する状況であったこと。
- 長時間勤務が継続した際に産業医面談を実施し、残業時間削減の必要性を提言され、上司及び他部門も協力の上、残業時間削減を進めたが、状況の改善は見られなかったこと。
- 周囲から見た職場内における貴殿の仕事ぶりや、言動において異常が見られなかった。
- 遂行する業務に対して品質の劣化が見られなかったこと。
上記内容から勘案し、当社としては業務と精神疾患の関係性は認め難いと考える。
会社の主張まとめ
上記の経緯を踏まえ、入社からの期間が短いこと、自身の裁量で解決または解決策の提案を行うことができる立場であったこと、また、休職期間中の症状や業務との因果関係も明確でないことなどから、貴殿の主張する労働災害事件の申請について異議を申し立てます。
ブラック企業より
とまあ色々好き勝手書いてますね。
お前は医師か!?ってかんじですが、気にすることはありません。
基本的に会社からの反論は考慮されることは少なく、あくまで労働者側からの申立書の内容をもとに労働基準監督署が調査を進め、調査内容で確認できた事実をもとに認定の判断をします。
まとめ
結論から言います。
ただの悪あがきに過ぎませんので、会社が何を言おうが何も気にする必要はありません。
判断するのは会社の主張ではなく事実関係の把握なので、労働基準監督署が労働者の主張と実態を調査しに行くからです。
そのため、これから労災申請を行う方はこういった会社の反論が来ても無視して構いません。
信じるのは労働基準監督署であることを改めて覚えておきましょう!
のちに労働基準監督署からは、私の病気が仕事と因果関係があることや、会社の反論書には根拠がないことが認められました。労災認定されたことで、私は以下のメリットを得ることができました。
- 労災病院で無償で治療を受けることができた。
- 休業補償給付を受けることができた。
- 療養に専念することができた。
これらのメリットは、私にとって大きな支えになりました。なにより金銭的不安を感じることなく療養に専念できることは再発防止に役立ちます。もちろん、治療や回復には時間や努力が必要ですし、労災申請にも苦労や不安はありました。でも、それでもやってよかったです。
以上、この記事が皆さんのお役に立てば嬉しいです。
それでは