【実録】ブラック企業から残業代を取り戻した方法と反論書への対処法

私は以前、ブラック企業のマネージャーとして勤めていました。毎日長時間の残業を強いられ、休日も出勤させられることがありました。しかし、その残業代は一切支払われませんでした。会社は私を「管理職」として管理監督者に分類し、残業代の支払い義務がないと主張していました。

しかし、私は権限も裁量権もない状況に常々疑問を持っていましたが、退職を機に自分の権利を主張するために残業代請求を決意しました。そして、労働基準法や裁判例に基づいて自分で反論書への対処法を考え、会社に対して残業代請求を行いました。

この記事では、私が実際に経験したブラック企業からの残業代請求と反論書への対処法を紹介します。反論書があったとしても、のちに残業代の回収には成功していますので恐れることはありません。

名ばかり管理職として従業員を使っている企業はどのような反論をしてくるのか、これを知ることで、これから請求をしようと思っている方はもちろん、就職先企業の選定をしている学生の方も参考になる情報だと思いますので、ぜひ読んでみてください。

名ばかり管理職として残業代請求をした時の会社からの回答

私はまず、自分がどれだけ働いてきたかを証明するために、勤務表やタイムカードなどの資料を集めました。そして、それらをもとに計算した未払い残業代額(約300万円)と支払い期限(30日後)を記した内容証明郵便で会社に送付しました。

約1週間後、回答書は大きく3つの項目で回答が来ました。

役職と権限の確認

①|役職と権限の確認
  1. 業務を管理する立場として一般社員に与えられていない権限があった
  2. 業務遂行に際して一般社員、派遣社員の上長として指示・管理権限があった
  3. 取締役等から直接指示を受け業務を遂行する立場であった
  4. 経営会議に提出する資料の作成を一任されていた
  5. 経営会議に出席及び説明を求められる立場にあった
  6. 企業の秘匿事項を知る立場にあった
  7. 休日、深夜等の時間でも制限なく会社に入室できる鍵を貸与されていた

報酬について

②|報酬について
  1. 取締役を除く一般社員の中でも上位5番以内だった
  2. ストックオプションの権利を受けていた
  3. 一般社員に比べて多額の給与を受け取っている

結論

③|結論

貴殿は、他社員をはるかに上回る報酬その他待遇面で採用され、経営に関わる重要情報を把握し、それを扱う業務において重要な役割を担うなど、労働時間制の枠を超えて活動することが要請されざるを得ない重要な職務、権限を有していたこと、労働時間に関する裁量を一定の範囲で有していたことなどから、貴殿が管理監督者に該当することは明らかであり、貴殿の主張には理由がないものと判断いたします。従いまして、貴殿が主張される割増賃金んのご請求には、その計算根拠が不明である点をおくとしても、そもそもの法的根拠を書くことから、弊社といたしましては応じかねますことを申し上げます。

上記のような回答が来ました。

要約すると

  • 管理職としての権限を有している
  • 管理職に相応しい報酬を受け取っている
  • 1.2の理由によりあなたは管理職なので、残業代は支払いませんよ

ということです。

予想通りというか、管理職(管理監督者)であるということを理由に支払いませんよ。という回答でした。

反論書への対処法

私の場合は管理職というポジションでしたので、それを理由に反論してきましたが、一般社員の方でサービス残業をしている方でもすんなり払うということはあまり期待できないと思います。

何らかの理由をつけて反論をしてくるでしょう。

反論書がきたことで、会社側は残業代を支払わない意思を見せているので、次のステップに進むことになります。

次のステップは、労働基準監督署か弁護士かを選ぶことになります。

私は弁護士は最後にとっておき、最初に労働基準監督署に訴えることにしました。

労働基準監督署

反論書の内容に対しては以下の通り反論できます。

  • 私は上司から指示された業務を遂行するだけであり、経営者と一体の立場で事業判断をする権限を有していないこと。
  • 人事権を有しておらず、自らの裁量で人員の採用や解雇をする権限を有していないこと。
  • 出退勤の自由がなく、会社の定めた業務時間に準じて業務を行っていたこと。

これら全ての条件が満たされていないかぎり「管理監督者」と呼ぶことはできず、実態は従業員であり、残業代の支給対象であることが証明可能です。

実際、労基署に相談した時も同様の認識で「この条件なら名ばかり管理職として残業代請求は可能」との判断でした。

結果として「証拠書類だけでは決め手に欠く」ということで、回収には至りませんでしたが認識としてはあっているということで、自信を持って次のステップである弁護士に依頼します。

弁護士

弁護士に依頼したあとすぐに、会社から和解の提案がありました。労働基準監督署と違い、弁護士は裁判まで持っていく力がありますので、会社側からしても驚異になります。その後はスムーズに交渉が進み、無事残業代をすることができました。

スピードを重視するならやはり最初から弁護士に依頼するのが早く回収が期待できると思います。

弁護士費用としておよそ20%くらいはかかってしまいますが、直接交渉しても、満額回収できる可能性は低いと考えられますので、しっかりと証拠を集めて弁護士に依頼することをオススメします。

まとめ

この記事では、私がブラック企業から残業代請求をした時の経験と反論書への対処法を紹介しました。名ばかり管理職でも残業代回収は可能です。しかし、会社側からはさまざまな妨害や恫喝があるかもしれません。その時は労働基準監督署や弁護士へ相談することで対抗できます。

この記事が皆さんの参考になれば幸いです。

それでは

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